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検察の対応予想1

先週ご質問があった以下の内容に関する考察を2回に分けて記す。
”起訴している裁判は死にものぐるいで戦ってくると思いますが、
証拠もないのにどうするつもりだろうとも思います。
その辺に関しての見解をお聞かせください”

まず1回めの説明の参考資料として産経新聞の報道をご紹介。
産経新聞は本事件の報道に力を入れていて、以下の様なまとめを行なっている。いい仕事である。
「なりすましウイルス」特集

リスト先頭の5月21日から2月10日(逮捕日)までの約50件の記事を読んでみて分かったことがある。
以下の一つの記事以外は、取材先が”捜査関係者”となっていると云うことである。
(記事が多いので多少の見落としはあるかも知れないが、殆どが「捜査関係者」となっているのは確実)

  片山容疑者起訴 東京地検「有罪の確証得た」 2013/03/22
  ”「証拠内容に踏み込んだ説明はできないが、捜査を遂げ、有罪の確証を得た」。
   22日、東京地検は慎重に言葉を選びながらも、起訴の理由をこう説明した。”

この記事だけは地検の説明となっているが、それでも「慎重に言葉を選びながら」となっている。
しかも、「証拠内容に踏み込んだ説明はできないが」との補足付き。
つまり、検察は最初の起訴の段階(3月22日)から非常に慎重であり、有罪の確証を得たと表向きは言いながら、
その裏付けの証拠も説明しなかった(出来なかった?)。
それに対して、特集の他の記事にあるように、捜査関係者は(比較的強気の?)捜査情報をマスコミにリークし続けた。
マスコミはそれをそのまま報道してきた。

こういう実態と今までブログで書いて来た検討も併せ、当方が現在認識している内容を箇条書きで示す。
(ここにたどり着くまでには色々考察してきたが、途中の詳細な推論部分は省く)

 (1) 警察は一度逮捕してしまったから、メンツにかけて送検に踏み切った
  (情報漏れによりマスコミが被疑者に張り付いてしまったので見切り逮捕)
(2)検察は送検されてきた後、早い時期から被疑者白の心証を持っていた
  (アクセスログなどの固い証拠を期待したのに警察から確実な証拠が来なかった)
 (3)警察は「送検したら、後は検察の判断である」と云わば下駄を預けて立件を続けた
  (途中でやめたら誤認逮捕事件での更なる誤認逮捕が明白となり、上層部の責任追及必至)
 (4) 検察は冤罪になるのが判っているので、犯人性の証明につながる証拠は出せない
  (断片的やよくわからない痕跡みたいな証拠と称するものはあっても、曖昧な証拠で検察が
   冤罪を創りあげたと後で責任追及されることになることを避ける)
(5) 警察は起訴を期待してマスコミに被疑者不利の捜査情報を断片的に流す。
   それに引き換え、検察は冤罪に繋がるから口が固くなる。
  (警察は昨年の誤認逮捕の責任もあるので、何としても犯人立件が必要な事情もある.。
      また4警察の合同捜査本部で情報の統制が取りにくいというようなこともあり得る)
(6) マスコミは警察の情報しかないから「捜査関係者」からとしてそのまま流す
  (裏付け取ったら矛盾だらけになるからそんな無駄な手間をかけない。
   懐疑的な記事書くと次から情報貰えないと云うようなこともあるかも知れない)

警察と検察の思惑が一致しないから、裁判長も「異常」と言わざるを得ない事態になっていると思われる。
特に検察は非常に苦しい立場に追い込まれているだろう。
その状況を踏まえた上での今後の対応予想は記事を改めて記す。

(次回へ続く)