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犯行の動機(謎の解明Ⅴ)

これまでの記事で犯行の動機は、技術的興味とチャレンジ意欲であることは立証できたと考えているが、
それを補強する意味でも、犯行予告先についても更に分析してみる。

ただし、「犯行予告先分析」は、前回までの謎の解明Ⅰ~Ⅲでの「動機」、謎の解明Ⅳで記した
「動機と被疑者の乖離」に続くものであるが、この3つで見る方々への納得性は以下のようになると思う。
  「動機」>「動機と被疑者の乖離」>「犯行予告先分析」

つまり、右に行くに従って主観的判断が入るので、人によって解釈が違ってくると思われるからである。
そのため、「犯行予告先分析」は異論のある方が出てくるのは承知のうえで以下に記すことにする。

予告先を思想的な面で分類すると以下の様な分かれ方になると考える。
 (1)体制的・・・伊勢神宮、皇族
 (2)中立的・・・皇居ランナー、小学校、JAL
 (3)体制批判的・・・部落解放同盟
 (4)趣味的・・・ヲタロードコミケ、芸能プロ、AKB、任天堂
 (5)不明・・・携帯ショップ

この分類と命名は当方の個人的な感覚で行なったものであるが、
これまで他の社会問題も色々考えてきているので、全く的外れでもないと思う。

各対象ごとに分析すると、(1)と(3)は体制的と体制批判的で相反する対象である。
(2)は皇居ランナーも小学校も思想的な背景は感じられない対象である。
JALは結果的にハイジャック防止法違反に問われたように重大と云える対象だが、
犯人が航空機という特殊な対象で反応を見てみたいと単純に考えた可能性もある。
(云ってみれば技術的興味と似たような発想の好奇心から行なってしまったのではないか)
(4)はクイズメールの内容などから、今回の犯人の性向に合致した分野と考えられる。
(5)は後ほど分析する。

まず、被疑者は前科の事件で小学校を対象とした犯行予告を行なっており、
また趣味の世界での怒り(のまネコ騒動)を含んだような予告対象もあった。
上記の中には、そのような前科の事件と類似性があるように見えるものもあるので、
当初の逮捕につながる疑惑を持たれた面もあったであろう。
(例えば小学校は特に似ているように見えてしまう)

しかし、前科の事件より対象の範囲が遙かに広がっている。
特に(1)と(3)の両方を脅迫するというのは、思想面から考えて矛盾している。
((3)は「公式方針としては反天皇制をスローガンを掲げている・・・Wikiより」)
また、それ以外の(2)と(4)の方がずっと多いことから考えても、予告対象には思想的
傾向は殆ど見られないと言って良いのではないだろうか。
つまり、過去にあったような予告から、思いつきで拾い上げたようなもので、
予告文の内容も余り意味がないものではないだろうか。
(大阪のヲタロードと三重の伊勢神宮は、被害者居住地からの連想という安直な面もあるだろう)

ただし、(4)の趣味的な対象においては、犯人の心理の琴線に触れるような、
もっと深い理由が潜んでいるかもしれない。
しかし、それも犯人はクイズメールの内容などから30歳前後と見る向きも多く、
被疑者と同じ年であることによる趣味性の重なりとも考えられる。

携帯ショップを他と別分類にしたのは、被疑者が該当店舗とトラブルらしきものが
あったということで、その恨みによる犯行ではないかと取りざたされているためである。
しかし、その内容が伝えられて、被疑者はショップから代替機の水濡れシート変色を
指摘され、弁償金5000円を要求されたが、交渉して弁償金なしにしたものである。
交渉の過程で双方憤りがあったかも知れないが、佐藤弁護士の話では30分~1時間
2chへの本人書込みの可能性があるものでは2時間半?)で決着して、
被疑者は主張通りに弁償金を免れ、交渉には勝った形になっている。
これでは、8ヶ月も経ってから犯行予告する動機としては弱いと思われる。

やはり、犯人の脳裏には通称「秋葉原通り魔事件」があったのではないだろうか。
トラックで突っ込むという脅迫内容も、この事件を彷彿とさせるものがある。
犯人は三重の事件でトロイを消さずに残して犯行を集結させた形になったが、
その最後で犯人の興味が高い分野、つまりゲーム(任天堂)と携帯ショップ(秋葉原)で
締めくくったのではなかろうか。(携帯ショップは本来(4)に入るという推察である)

Wikiでは三重の被害者がPCを停めたのでトロイが残ったのではないかとの記述もあり、
この辺の経緯は明らかではないが、携帯ショップを除いた予告対象が思想的にバラバラなのは
確実と思われる。
最後の犯行で携帯ショップへ恨みを晴らすために、前振りとしてこれ程多くのバラバラな予告を
行なったというのは余りにも非合理的であろう。
よって、予告先からは強い動機は読み取れず、主な犯行動機は「技術的興味とチャレンジ意欲」
であることに矛盾はないというのが、当方の分析結果である。