延期後の豊洲開業時期と築地ネズミーランド
8月31日会見で移転延期は決定した。今後は新たな移転開業時期が焦点になるが、早速次のような記事が出て「5月を軸に検討」という情報が示されている。
”小池都知事、築地市場移転延期表明 移転時期は5月を軸に検討” フジテレビ系(FNN) 9月1日
プロジェクトチームを立ち上げ、環境面や、施設の使い勝手の問題などを検証したり、改善策を提示するとしている。
移転は、土壌の調査結果が出たあとになり、関係者からは、「引っ越しのためには、連休がないと厳しい」との声が上がっていて、5月を軸に検討が行われるという。>
当ブログでは年末繁忙期を避けて、或る程度の検討期間も取れる来年2月移転を仮定してきた。その場合も当然準備期間が必要で、3ヵ月と見れば移転が2月末としても11月末には決定が必要ということを先の記事で書いた。しかし、小池氏は環境モニタリングの結果が正式に出てから判断することを表明しており、結果公表は1月中旬のようで2月移転は非常に難しくなる。
2月過ぎると年度末で引っ越し業者なども含めて忙しくなる時期だから、3月移転も困難で、4月もまだその影響が残る可能性大。更に上記記事では移転に連休が必要と云う関係者の話を書いており、そうなると5月と云うことになってくる。
しかし、1月に調査公表されてOKになった場合、もう使えるのに5月まで待つと豊洲維持費用が積みあがってしまう。都民の中でも無駄と思う人が増えて来るのは確実。何とか工夫して2月移転を実現すべきと思う。そうしないと今回の小池氏判断の価値が大きく減じてしまうだろう。
そして、本日延期期間を余り延ばすべきでないということを裏付ける強烈な資料がツィートされた。
築地市場の移転問題、やきもきしていたのは人間だけではありません。
河岸引きの築地はネズミーランド。
セリ人やっていた時には何度も魚をヤられました。>
この「きむちゃん」さんは他にも「ターレの旋回性」動画などのツィートを連投しておられ、添付された次の写真も本物の可能性が高いと推測される。(左が添付写真で、少し暗かったので明るめに画像処理してみたのが右…以下はこの写真が本物として考察を進める)
移転推進派の論客の生田與克(よしかつ)さんもTVで以下のように言っている。
<「ひるおび! 2016年8月30日 TBS まとめ抜粋(敬称略)」
築地でマグロの仲卸業者をしている生田與克は「海外の水産関係者が築地を見学すると皆驚きます。”日本に魚を輸出する場合、〈衛生管理〉〈温度管理〉とものすごく言われるが築地市場は常温でやっている。ねずみが歩いているじゃないか“と」としている。今の時期、築地市場は屋根と柱しかない造りなので、ネコ、カラス、カモメも入ってくる。生田は「我々仲卸業者の指名は、安心・安全な食品を安定して供給すること。豊洲に移転すれば完全閉鎖型の市場になるので、衛生面での信頼は格段にあがる。豊洲移転延期はなく早く移転すべき」としている。>
食品安全については人々の関心が高く、今回の延期決定も本日のひるおび調査では賛成が約80%にのぼった。だが、「ネズミ-ランド」問題で上記写真で提示し、「築地に残るのが良いですか?」と聞いたら、どれぐらいの人が賛成するか。
人々が重視する安全性について、もう一つ重要な要素がある。Twitterで「ペコちゃんdēmagōgos 」さんが検証しておられる豊洲の構造計算における問題である。もしかすると耐震性などに問題が有るかも知れないので、注意が必要。これを併せて整理すると、以下の3点が移転問題における安全安心面の根本的課題と思われる。
①モニタリング調査結果(豊洲)
②ネズミーランド問題(築地)
③耐震等の構造計算問題(豊洲)
この中で、首都圏直下型地震への備えが言われる東京では、③が最重要になると思う。①はOKになる可能性が高いと推測出来る。②は上掲写真によって危機感がぐっと現実的になった。ネズミ等の根絶も現在の環境では容易ではないと思われる。よって重みづけは③>②>①になるだろう。そうなれば、③が結果的に使用可能な範囲内に収まれば、②の要因により築地使用期間は妥当な範囲で短くする必要がある。
結論としては、③が問題にならないことを前提に、「2月移転を実現すべき」ということになる。
当方個人的には、移転反対派も推進派も一旦「打ち方止め」を提唱したい。両派とも日本の食のイメージにも関わる「ネズミーランド」問題を拡散したくはないだろう。もはや休戦して徹底的に論議し、「開業までに改善できるところ」や「それ以降も改善していく箇所やスケジュールの立案」等を行って、スムーズに2月開業が出来るよう協力して取り組むことが最善と思う。
その論議では③も詳細に検証し、もし問題が有るなら根本的に再検討するしかない。それ以外の場合は2月開業で進むべき。
以上