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雲取山の問題を更に単純化して検討

今までご紹介してきているように、雲取山証言は虚偽と判明したものやヤマレコ写真等と矛盾するようなもの多い。それらを現時点でまとめてみた(もっと有りそうだがが今はここまで)。
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検討しやすくするために、一旦これらの証言がないものとしてみる。つまり、「過去に証言してしまった内容にとらわれず、片山氏に真実を話してもらったらどうなるか」を考えてみる。
ぐっと単純化すると、雲取山の根本的事実としては「埋めた」か「埋めてないか」のどちらかになる。
「穴が写真に写っているか?」に関しては、解像度やアングル等の影響で「穴があっても写真では見えない可能性」も考え得るが、「片山氏が12月1日に埋めたか・埋めてないか?」という行為事実に対する命題は二択である。
2つの場合の基本的な課題事項を整理してみる。
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①埋めた
  (1)何時頃山頂到着したのか?
  (2)穴を掘り終えてkokohore2を撮ったのは何時頃か?
  (3)USBメモリを穴に入れて埋め戻したのは何時頃か?
  (4)穴を掘った際に他の登山者はいたか?

②埋めてない
  (5)何故「埋めた」と偽証しているのか?
  (6)誰がいつ埋めたのか?
  (7)片山氏は埋めた人と関係があるのか?有るとしたらどういう関係か?
  (8)kokohore2は実際にはいつ撮られたか?
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片山氏は、「今までの証言は全て無しにして良いから、雲取山での本当の行動を語って貰いたい」と改めて問われたら、上記課題にどう答えるか?
当然ながら②「埋めていない」だと大どんでん返しになる。誰がいつ埋めたかという話になってくる。また、片山氏証言は雲取山以外も全体的に見直しが必須になる。

では、①「埋めた」なら、今のところ片山氏・検察側・弁護側が一致して認めており、実行者の片山氏が証言するのだから、すんなり説明がつくかというと、そう簡単でもなさそうである。
まず、片山氏は改めて聞かれても今までの証言を変えずに、上記①の(1)から(4)に対して、”到着10:40頃、kokohore2撮影10:45頃、埋め戻し11:15頃~11:25頃の間、「掘った時に他に人はいなかった」”と再度答えるかも知れない。しかし、それではヤマレコの写真・コメントと明白に矛盾するのは既報の通りである。従来証言のままで新たに辻褄が合う説明ができるのか。
もし矛盾を避けるために証言変更があるとすると、冒頭に示した表にある証言にも色々影響が出てくる可能性が高いだろう。従来証言をどれだけ変更するのか? 変更して整合性は取れるの?
中でも大きなポイントは、「10:51写真に穴が写っているかどうか」という問題に対して、もし検察側見解でも「写っていない」となる場合は、「穴が開いたままにした」という証言を変えるのか。
また、10:40頃到着を変えないとすると、滞在中に人がいなかった時間帯は無いと思われるので、「人がいない時に掘った」という証言を変えるのか。 或いは到着時刻を変えると人のいない時間帯があったのだろうか。

このように①と②のどちらになっても大きな問題が有る。かといって、「埋めたか、埋めてないか」という根本問題を解明しないまま裁判を進めるのは更に大きな問題。

だが、②「埋めていない」という場合は、どうしても他者関与の話にならざるを得ない。 検察・警察側はもし関与者がいるなら特定して、その事実を記者会見などで事前に明らかにするのではないか。それをやらずにいきなり法廷で「他者関与がある」、或いは「他者関与の可能性が高い」と言われたら、裁判官も唖然とするだろう(笑)
だが、弁護側が位置偽証の訂正を行い、「弁護側が見ると写真に穴が写っていない」という話もしたであろう9月17日第16回公判から相当経つのに、検察側から他者関与が明らかにされたことはない。やはり片山氏単独実行で、他者関与は無いと云うことだろうか。

しかし、そうなると「やっぱり埋めたのか」ということで振り出しに戻ってしまう。
その場合は片山氏従来証言のままとすると、10:51写真に穴が写っている必要がある。
検察・警察側が当然探したであろう「埋めた跡」どころか、遥かに判別しやすい「開いたままの穴」の存在を今になって認めるのか。或いは発見してあったのを忘れていたのだろうか(笑)

堂々巡りで結論が出なさそうにも思われるが、それは情報が限られている我々一般人だからであって、法曹三者は開示証拠も全部見られて被告人聴取や尋問も出来る。この状況で、「埋めたか埋めてないか?」、「写真に写っているかいないか?」というシンプルな命題を法曹三者がどう扱うか。(裁判官も当事者主義に頼るだけでなく、法廷で堂々と写真を見せて位置の偽証が行われたのを見抜けなかったのは怠慢で反省が必要だし、偽証が行われた理由とされる「穴が写っていないように見える」ことに関して実際はどうなのかの正式見解を裁判官から検察側に求めるぐらいの訴訟進行も必要だろう。また、マスコミなどの報道は、これまでの経過からすると残念ながら雲取山問題については期待できそうにない)

今後「埋めた」という前提での矛盾がない説明を新たに片山氏から引き出して、裏付けも取れるのか。それが出来なくて、「埋めていない」という見方にならざるを得ないのか。
あるいは、弁護側によって位置の偽証訂正が行われたから、これで表面上は「虚偽証言無し」ということにして、法曹三者の暗黙の了解などで他の証言の矛盾はスルーしてしまうのだろうか。これだけ世間の関心を集めた重大事件で、シンプルかつ重要な真実の追求も行われないまま結審・判決まで行くのか。

まずは明日に迫った公判結果を待ちたい。野間氏の証言が予定されているが、それ以外に雲取山にも言及されて、「穴が写っているかどうか」の正式見解が検察側から引き出されるか? また、「10:40頃到着後5分ぐらい人がいなかった」という明白な偽証の問題なども取り上げられるか?
或いは野間氏証言だけで雲取山問題はスルーになるのか?

以上