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山頂滞在経過再検証

第14回公判後会見において、佐藤氏から雲取山山頂滞在経過について以下のような認識が示された。
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(3分頃~)
今日(公判で)雲取山に登った時にどういうようにしてUSBメモリを埋めたのかということを言ったんですけども、今まで言ってた「人が常にいた」と云うんじゃなくて、約5分間ですけども人がいない時間帯があったということと、実際に12月1日の段階で山頂は凍結してたんだけども、たまたま三角点の下のところの土がわずかに柔らかかったので、浅い穴なんだけども掘れた。
そしたら人が来たので、そこに腰掛けてUSBメモリを置いて足で土を掛けて埋める。それでその写真(「ここほれ」相当写真)を撮って立ち去ったという実際の経過を述べたわけです。
その結果どういうことが起きたかと云うと、USBメモリを埋める所の穴を掘った写真(kokohore2)ですね、これは本物の写真を使ったんだけども、その間に雪が降ってきて、埋めた後に「このへん」写真に該当する写真を撮ったんだけども、それは使えないということで、ヤマレコにあったものを加工して添付したという結果になった。
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このような経過の大元は片山氏からの説明と考えられ、弁護団はそれを真実と考えて法廷でもその流れで証言させたことになる。また上記佐藤氏解説は、山頂滞在時の行動を凝縮した説明になっていて実際の経過を表しているように思えてしまう。

しかし、既報のように「埋めた場所の証言が発見位置と全く異なる」という大問題があることが明らかになっている。更に当方は「埋めた場所の証言がなくても、片山氏の虚偽は証明できる」と以前から述べてきた。それを山頂滞在の最初と最後にポイントを絞って再度記す。

まず山頂到着時刻であるが、片山氏証言の10:40頃だとすると、10:38と10:41:26に三角点の写真を撮った登山客(当方タイムラインでBさん)がいるため、「人がいない時間帯が5分ぐらいあってそこで穴を掘った」という証言とは全く合わない。結果的に「山頂到着10:40頃」と片山氏が言い続けるのなら、それだけで虚偽確定となる。

もし「片山氏が埋めた」ということでまだ辻褄を合わすことを考えてみると、実際の山頂到着時刻は保釈後インタビューでの「到着時は粉雪」という発言を考えると10:27分前後の可能性がある。10:27埼玉県標識写真を撮ったAさんが、「山頂で休憩をしていたら雪が降ってきたので、それに伴い下山をした」というコメントを残しているからである。

その後Bさんの10:37同標識写真まで山頂の写真はヤマレコにない。
この間に片山氏が山頂到着したと仮定して考えてみる。Aさんのコースタイムで山頂滞在は10:08~10:27となっている。同じ標識写真が10:08と10:27にあるので山頂到着時と下山時に撮って、10:27撮影直後に下山開始したと考えられる。

丁度入れ違いに片山氏山頂到着とすると、下山中のAさんと一本道の登山道ですれ違うことになり、「山小屋管理人除き、途中だれとも会わなかった」という証言と明らかに矛盾する。それで頂上下の避難小屋の辺りでどちらかがトイレに入ったなどの仮定で、お互いの姿が見えずにすれ違ったと考えて少し時間をずらし、片山氏山頂到着を仮に10:30とする。その5分後に穴を掘り終わってkokohore2を撮ったとすると10:35になる。

Bさんの山頂到着はコースタイムでは10:35だが、山頂の写真があるのは埼玉県標識10:37からになる。ただし、その前に避難小屋10:34写真がある。Bさんは避難小屋から少し登った地点をもう山頂と認識して、コースタイムには10:35到着にしたが実際の標識がある山頂到着は10:37と考えてみる(BさんはGPS付腕時計を持っていて時刻は正確)。

更に10:37写真には「5人ほどの方がいた」とコメントがあり、Bさんより先客がいたから、その中の一人は片山氏とする。kokohore2の写真を撮り終わったと仮定した10:35から、Bさん山頂到着の10:37までは約2分。この間に片山氏を除いた4人が山頂到着したことになる。これだけでも相当無理な話というのは皆さんも感じると思うが、それでも例えばBさんの前をグループの登山客などが歩いていたり、雲取山山荘側からやってきたりして、10:35~10;37の間に片山氏以外の4人が山頂到着していたと仮定する。

さて、以上のような無理目の仮定をして、片山氏山頂到着時刻を10:30頃と設定した上で、山頂行動最後の下山時刻を考えてみる。Bさん10:08頃写真に「雪が舞い始めたので下山」というコメントがあるが、その後も2名の方が撮られた写真が有る。
・ヤマレコDさん
イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

・ヤマレコ以外のブログB2さん
イメージ 4

Dさんの11:40写真で「雷がなり、雹が降ってきました」となっている。
B2さんの11:37写真では「雪が舞ってきたかな」となっており、雪の粒も写っている。
結果的に、本格的な雪になって「雪の粒」が見えるようになって来たのは11:37頃以降と思われる。また、Dさん11:20写真では、雪が降っているというようなコメントはなく、写真も「曇り」のように見える。

ただし、11:08~11:20の写真は無いので、もしかするとその間にも「雪の粒」が見えるところまで一旦雪が強くなったかも知れない。この仮定をした上で片山氏証言を考えてみると、「しばらく山頂で景色を見ながら人が減るのを待って、粉雪が降ってきて人が減ってきて、3人くらいになった時に足の間で隠しながら埋めた」と言っており、埋めて写真を撮ったのは11:15頃としてみる。なお、埋めた後は、「急ぎはしなかったが、荷物をまとめて下りた」 と証言している。

前述のように、10:30頃到着して10:35頃kokohore2を撮ったとすると、その時点から「このへん」写真相当を撮るまで約40分となる。
山頂到着からだと約45分で、更に荷物をまとめる時間なども含めたら、片山氏証言の滞在時間40分~50分の上限近くになってくる。保釈後に滞在30~40分と言っていた時よりは、確実に延びることになる。

片山氏は「1人でいたのは最初の5分くらいのみ。 山頂に着いたら、急いで荷物を下ろしスコップとUSBメモリを取り出し、埋める場所を探しました。掘るのに要した時間は、5分もかかっていない(その前に試掘有り)。人がいない間にすませました 」と証言している。
人に見られないように急いで作業した人物が、その後は掘った穴をそのままという中途半端な状態で、人が減るまで約40分ぐらいも待ってからようやく埋めるという悠長な行動をするだろうか。(その間台座にずっと腰掛けて穴を隠していたのではないことは10:51写真やその他三角点写真で明らかだし、多くの人が写真を撮る三角点に長く腰掛けて占領していられず、居続けたら隠すつもりが却って目立つことになる)

しかも人が多い時で6~7人と片山氏は言っていたが、それが0人になるまで待って約40分というなら、絶対見られないようにするということで、まだある程度の妥当性は有るのかも知れない(江ノ島では人がいなくなるまで待った)。だが、3人ぐらいになった時に埋めたとのこと。
それなら穴をそのままにして約40分も待つリスクと天秤に掛けたら、4~6人程度いても足で隠しながらもっと早めに埋めてしまうことを選択するのではないだろうか。(証言通りなら穴が既に掘られている状態なので、ビニール袋1枚に入ったUSBメモリを穴の中に置いて足で土を掛けるだけなら精々10秒掛かるかどうかぐらいではないか。その後に或る程度踏み固めるのは景色など見ているふりでもしながらやれば良い)

以上の様な理由で、滞在経過においても大きな疑問がある。証言訂正する場合に、埋めた位置や10:51写真に穴があるかどうかと並んで、滞在経過上の疑問に対しても検察側はどのような見解を出してくるだろうか。
また、山頂滞在経過を検証するポイントとして、調書に以下のような時刻記載があるかどうかが重要になると考えている。
”①山頂到着時刻、②kokohore2撮影時刻、③「このへん」相当写真撮影時刻、④下山開始時刻等 (これ以外でも「穴を掘った時刻」、「USBメモリを埋めた時刻」というような表し方もあるかも知れない)”

山頂行動のどれかの時刻でも調書に書いてあれば、ヤマレコ写真等で真偽を我々でも確認できる可能性がある。さて再収監後の調書に時刻は記載されているだろうか。

以上