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量刑に関して

昨日コメントで量刑について書いた。更に個人的メモとして記す。
量刑について外野が書くことは不謹慎かも知れないが、本事件をずっと見てきて今後は片山氏の矯正が重要になると思われるので、その際に刑期は非常に大きな要素になるだろう。
また、被害者の方々やご家族などは大きな苦痛を受けて、今後証言する方もおられるようだが、被害者心情も大切にする必要がある。

ただ、本日記事は片山氏を中心に書いてみる。
はじめに、最近たまたま全く関係ない検索をしていた時に、ある人物が「傷害致死罪」で懲役5年判決だった記事を見た。判決は10年前ぐらいである。別居中の妻子を巡って内縁の女性と口論になり、数回殴ったということだった。
5年の刑期を終えて出所し、今は人前にも立っておられるようである。
詳細事情は不明だが、刑期だけ考えてみると一人の人が暴力により亡くなった事件が5年。殺意がなかったと認定されたのであろうが、複数回殴った事実も重い。
なお、昨今は厳罰化の流れがあると云われていて、現在ならどうなのかは不明。

その上で昨日純個人的に考察してみた結果の量刑想定最長5年とは、年数だけ比較すれば同じ。
有罪無罪判定だけでなく、刑期の判断も難しいものだと改めて感じる。
当方は基本的に厳罰化の流れが良いとは考えていない方である。
それで本事件も3年ぐらいにならないのかと個人的には思ってしまう。
しかし、前科時で実刑1年6ヶ月だから、今回は犯行予告だけでなく被害者を誤認逮捕させる意図が明確にあって犯行件数も多い。また、前科時は早い段階で認めたが、今回は長期間虚偽説明を繰り返しての否認という情状面での大きな違いもある。
遥かに悪質ということで、前科時の2倍(3年)よりは3倍(4.5年)に近いかと考えると、5年に近づいてしまう。

犯行予告という犯罪自体の量刑もなかなか難しいと思う。
社会的影響は大きいが、直接的な人や物への危害は無いことが多い。
本事件がまさにそうであるし、前科時の1年6ヶ月も厳しすぎたのではないかとも思える(但し、予告を受けた被害者は強い恐怖を感じており、それとのバランスや社会的影響も当然考慮必要)。
だが、本事件はハイジャック防止法での起訴があるので更に難しい。
個人的には以前から同法適用は無理筋と感じているが、起訴してしまった手前検察側も簡単には引き下がりにくくなることが考えられる。

本事件の司法関係者間では予定調和的な雰囲気は潜在的に出来つつあるのではないかと昨日書いたが、いざどれぐらいの量刑になるかと考えると非常に難しいと思う。
まず検察側が求刑をどうするかという問題がある。ハイジャック防止法適用を重く見て7年などの求刑は有りうるか?
しかし、前述の傷害致死5年と比べて事件の性質は全く違うが、それにしても刑罰としてのバランスはどうなのかと考えてしまう。

また、罰だけでなく矯正のための時間としても考えると、今までの(片山氏定義での)サイコパス的性質を矯正しないと社会復帰には問題ありということになり、相応の時間が必要だろう。
客観的に考えると昨日コメントに書いたように、量刑の幅はそんなに無いと思えるのだが、量刑に影響する要因は多い。
裁判官も苦労するところかも知れない。

そして、サイコパス的性質の矯正だが、まず片山氏にとっての定義を当方なりに推測すると、「嘘を平気でつける」ことが最重要で、次に「反社会性」と「(言葉による)他者攻撃性」ではないかと思う。
それで、まず「嘘を平気でつける」という問題を治す必要があるだろう。(反社会性と他者攻撃性は今回の反省で自然に矯正されていくのではないかと個人的に感じる)
そのためには事件の詳細を、動機や過去からの心理面も含めて洗いざらい曝け出してみることが有効と思う。それで絶対嘘をつかないことを実地に体験してもらう。

後は、「犯人の人格になると自分でも抑えが効かない」という問題があるようだが、これは精神的な治療が必要かも知れない。
今後行われるであろう精神鑑定(心理鑑定)の結果も参考にして、治療が必要なら適切な対処がなされることを期待したい。
まだ若いし、これから年齢を重ねる事によって心理的問題の根本的要因の一つと思われる小児性の克服に繋がる可能性もあり、服役後は必ずや社会復帰できると思う。

以上