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遠隔操作による開発

一昨日記事で以下のように記した。
<VisualStudioという複雑な開発環境でのソフト開発を遠隔操作で偽装するなどという発想は、実際に開発したことのある者には出てこないと思う。>
当方は「したらば掲示板」のアクセス履歴の多さから、とても別の人物(真犯人)が遠隔操作で残すようなものではないという心証を得たので、遠隔操作によるソフト開発は更に荒唐無稽であるため余り追求してこなかった。
ただ、開発が乙社PCで行われたことに関しては、法廷でもファイルスラックの話と併せて詳細な証言があり、検察側は重要な立証の柱にしていたので遅ればせながら考察をしておくことにする。

開発期間を当方は従来一ヶ月弱と見ていて、今回片山氏証言で20日間程度ということが明らかにされた。
ただし、主として自宅開発だったようだが、片山氏自身はトロイ開発に時間がかかることを当然知っていた。
その開発を偽装するのだから、約20日間の開発履歴を残す必要がある。しかも、VSによる開発は様々なファイルなどの履歴が残る。
「別の真犯人がいて片山氏が開発したように見せかけた」という(虚偽の)主張をする場合、以下の二通りが考えられる。
 ①「真犯人は遠隔操作で片山氏PCを使用して実際に開発を行い履歴を残した」ことにする
 ②「実際の開発は行わず、遠隔操作でファイルスラック領域にそれらしい痕跡を残した」ことにする

どちらにせよ「真犯人が20日間もの開発経過の痕跡を残した」というのは余りにも無理があるだろう。
もう少し詳しく見てみると、①については実際に片山氏PCで開発を行ったという主張だから、履歴が残っていることは自然に説明がつけられる。
しかし、開発偽装のためには履歴を残すだけでなく、片山氏がPC操作できる状況にあることを確実に判定して、その時だけ履歴を残す必要がある。
PC電源が入っていても、例えば会議や打合せで席を外していて、その議事録が残っていたりしたらアリバイ成立してしまうからである。
これは被害者に対する遠隔操作の時に既に言われていたことで、「遠隔操作の遠隔操作による偽装は、片山氏が席にいてPC操作できる状況でなければ成立しない」ことに佐藤氏も言及していた。(それで弁護側は「遠隔操作の遠隔操作」を否定していた)
開発の方は遠隔操作よりももっと長い期間に渡って、片山氏がPC操作できる状態にあることを毎回判定して履歴を残す必要がある。
真犯人がそこまで念入りにやる動機があるか?と云う話になる。
②については、部分的に痕跡を残して他は消したことにしようとすると、消し方まで自然になるようにしなければならない。
つまり、「片山氏が開発を行った上で痕跡を消したが、消しきれなかった部分があった」という偽装を自然に見えるようにやる必要がある。矛盾があったら、片山氏にも指摘される。
真犯人が何故そんな手間を掛けるのかということになる。

①と②いずれの場合でも、真犯人の動機面で無理がありすぎるから、片山氏も逮捕前に想定問答集を作った際には、このような言い訳は考えてなかったと思う。
後々色々出てきた言い訳は、週刊現代に語った次の様な事情からだった。
「警察に逮捕されてからのウソは、楽しいというよりも、自分の身を守るためだったので必死でした」
内情は苦し紛れのウソの連発であり、やはり取調べをしていれば落とせていたのは間違いないだろう。

更に、真犯人メールの内容がヒントになり今になって考え至ったこともある。
<・ネコセロテープから検出されたDNA
  不一致で当然。片山氏のDNAでも私のでもないはずです。
  とあるスーパーマーケットのレジの先の荷造り台に設置してあったセロテープです。…>

真犯人が誤認用に片山氏のDNA採取を工夫することは考えられても、「赤の他人のDNAをわざわざスーパーのレジ付近まで行って採取する必要など考えられない」ということを以前の記事で書いた。
この辺が片山氏の特徴である「肝心なところでの抜け」だと思うが、逮捕されてから苦し紛れに考えた開発偽装の嘘にもそれがあると思い至った。
片山氏は「C#出来ない。テストはやったことがあるが、iesysのような複雑な動きのプログラムは作れない」とずっと言いつづけてきた。
それなら、真犯人は片山氏のPCを詳細に覗いて色々な情報を得て偽装していたのに、何故C#出来ないことを知らなかったのか
片山氏の当初言い分からすると、乙社PCにはJavaでの開発履歴しか無いわけだから、片山氏を犯人に仕立てるならJavaを使わないと辻褄が合わない。
M氏に渡したソフトがたまたま残っていて真犯人が見たとしても、片山氏から見て「とてもC#出来るとは言えない」というたった一つだけのソフトを基に真犯人は片山氏がC#出来ると認識してVSで開発したことになる。
また、PHPは痕跡もなかったはずなのにCSRFでも使っている。
真犯人が片山氏PCを遠隔操作してトロイを開発したという主張は、どんどん矛盾が出てくる。

結局「遠隔操作されていた」という言い訳での対応は、雲取山江ノ島までだった。
それが開発や検索の履歴等まで延々と続いたのは、検察側が取調べを行って(実際は嘘の)証言を引き出せていないのに、先に証拠を開示してしまったことが大きい。
詳細な証拠を見ているから、苦し紛れでも後出しで一応証拠に合わせた言い訳になって簡単に潰せなくなった。
作戦ミスと言わざるを得ない。

以上
[追記]
前述したが、片山氏がM氏に渡したソフト(SQL REPLACE)がある。
C#で作って、その際に乙社PCにVisual Studio2010をインストールしている。
ネットから原型を取ったかどうかは別にして、当初は「C#出来ない」だけでなく「C#の開発環境もない」、つまりVSはインストールしていないと言っていたはずである。
そのため佐藤氏も途中で片山氏発言を訂正して、「インストールした事はある」という話になった。
最初の頃から事件を見ていた方々の多くは、その時「おやっ」と思われただろう。当方もそうだった。
これも取調べをしていたら、まず「VSはインストールしていない」と云う証言を得ておいてからVSインストールの証拠を出せば、後で訂正しても片山氏発言には「嘘」が含まれる可能性を強く心証付けられた。
片山氏の想定問答集は、自己中思考によって自分に都合悪いところは抜ける可能性が高く、隠し玉で想定外の証拠を突きつけられたら脆かったと思う。

追記以上