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想定問答集(週刊現代記事)

週刊現代6月7日号の記事は現段階では片山氏の証言が一番まとまって多く収録されていると思われる。
ただし、再収監直前という状況で、しかも片山氏は事件のことで嘘をつき続けてきた状態からそう時間は経っていない時点の証言なので、どこまで本当かわからない部分もあるが、更に考察してみる。

「猫が発見された後、江ノ島には防犯カメラがいっぱいあると報道されたんです。
ベンチのすぐそばにも防犯カメラがあった、とも。
僕としては『やばい、やばい、やばい』という気持ちになって、言い訳をいっぱい考えました。
この時からです、自分のパソコンも遠隔操作されているというストーリーを考えたのは。
警察が1月半ばぐらいには事情聴取に来るだろうな、と思っていました。
そこで、自分が遠隔操作されている前提での想定問答集をつくった。
これがあったから、その後、ずっと佐藤先生たちを騙すことができたんです」

(多分頭の中で)「想定問答集」を事前に作ったということだが、次のような大きな疑問が当方にはある。
 ”「乙社PCに残った大量の開発痕跡」まで考慮に入れて想定問答を作っていたのだろうか?”
片山氏が考えたのは、「雲取山」と「江ノ島」に行ったことの理由付けとして、「遠隔操作で行動予定などを見られていた」というレベルまでの想定ではなかったか、と思うからである。

VisualStudioという複雑な開発環境でのソフト開発を遠隔操作で偽装するなどという発想は、実際に開発したことのある者には出てこないと思う。
そして、片山氏は開発経験があるのだから、開発偽装という荒唐無稽な言い訳が通ると本当に考えていたとしたら、全く技術者失格である。(この辺の事情は又別途記したいと思う)
当方は、片山氏も当初はそこまでは考えていなかったと推測する。
よって検察側が開発痕跡を隠し玉にして取調べを行えば、嘘をつき続けるにも限界があって供述に矛盾が多々発生し、早期に片山氏は落ちていたと思う。
取調べを行わなかったことの問題点が証言でますます明らかになる。

なお、片山氏の「嘘」については、他にも心療内科受診が「詐病」であった可能性が当方は拭えなくなってきている。
昨日記事に書いたが、遠隔操作の成功で、「おお、やったぜ。すごい、警察を動かしてやった、みたいな感情を持ちました。正直、楽しんでいました」というハイな心理になっていた。
警察が動いたのはCSRFの時からで、大学生(誤認)逮捕報道は2012年7月2日である。
それで味をしめて、トロイをその辺りから20日間程度で開発したようであるが、心療内科の初受診は7月11日。

気分的に一番絶好調の時期ということになるだろう。
しかし、本来業務が遅れていたのは間違いなく、そちらの方ではスランプだったというのも事実であろう。
そうなると、絶好調と不調という相反する心理状態が一人の中に同居することになる。
しかも、それだけなら開発対象によって心理状態が違うということにもなるが、不調の方も心療内科を受診するまでに悪化したのならもはや絶不調領域になるだろう。
トロイ開発の方は絶好調のままで、自宅で主に開発したとはいえ、初回犯行用のコンパイルなどは業務のスランプで気持ちが落ち込むはずの職場で行っていた。
仮にそのような絶好調と絶不調の両立状態がもしあったとしても、極めて稀な症例になるのではないか。

それで、もうひとつの可能性として、本来業務の方は軽度のスランプというか、やる気を喪失していて仕事が進まないので、それの言い訳のために詐病を考えたという推測も出来るのではないか。
現時点では実際のところは分からないが、もし詐病なら日常的にも大きな嘘をついていたことになってくる。
嘘をつける性質がどのようなところまで及んでいるかを知る手がかりとしても、詐病の可能性は気になる。(嘘の程度は矯正にも絡んでくるだろう)
精神鑑定を求めるようなので、実施された場合にどのような結果になるか。
また担当医の尋問が延びているが、最終的には行われるのだろうか。
当時の状況を知っているのは担当医なので、詳細を出来るだけ明らかにして貰いたいと思う。

以上
[追記]
本文にも書いたが、片山氏は乙社PCに大量の開発痕跡を残したことに対して、どういう説明をするのだろうか。
この点は特に早く聞きたいところだが、なかなか肝心な部分の話が出てこない。
職場を移る際には、それまで使用していたPCに残すのは業務用の成果物関係だけで良いのは当然で、それ以外はクリーンにしても問題ないし、むしろそうするのが常識的対応。
何故片山氏がそれをしなかったのかが不思議。
普通に不要ファイル等の消去を行った上で、更に痕跡隠しとして念入りに消去しても職場の人から特に怪しまれることはなかっただろう。
職場を移ることが決まったらPC内整理は必須だから一緒にやれば良いだけなので、それすらやらなかった片山氏の心境は謎。発覚するまでは気にしない無頓着な性格ということなのだろうか。

やはり、よく分からないところが多いが、もう一つ肝心な特徴として「リアルの充実」があると思う。
旅行・登山や居合という行動的趣味も持っているし、週刊現代の記事にはないが、収監直前に母親以外にもう一人親友と呼べるような人に電話したと佐藤氏が述べていた。
同じ人かどうかは分からないが、2012年の大晦日前は友人と2泊3日で静岡県の友達のところに遊びに行っていたとのこと。居合道場でも友達や仲間がいただろう。乙社でも誕生日にケーキを買ってくれるような友人がいた。
前科の時は引きこもり状態だったようだが、友達が多くなり親友が出来るようになっても犯行予告の衝動や誘惑には負けてしまったと云うことになる。(特に大晦日は旅行から帰ってきた晩に各種ファイルを作成してメールを出している)
友達の多さは矯正や更生につながると思われ、片山氏は精神鑑定は気が進まないようだが、やはり受けてみてリア充になっても犯行に駆り立てるのは何かということを、出来るだけ解明してもらうことは必要と思う。

追記以上