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真実2(真犯人メールが無かった場合の裁判の行方は?)

真犯人メールの件で片山氏が観念して真実を述べ出したが、それがなかった場合、裁判の行方はどうなっていたか。
結論から言うと、論理的帰結で当方は無罪になっていたと思う。

その理由と論理を述べる。
片山氏が再収監されて、佐藤氏経由で証言が色々紹介された中で当方が一番驚いたのは以下のこと。(江川氏ツィートが簡潔なので引用)
<iesysの開発は、勤務先ではなく、主に自宅でやってたそう。会社では時々。自宅のHDDはOSを入れ替えるなどして、完全消去されたらしい。勤務先PCは、彼がそれなりに仕事してた痕跡が、特別弁護人の解析で見つかってるとのこと>

また、別の江川氏の記事”初公判で被告人冒頭陳述を聞く”で冒陳内容が以下のように書かれている。
検察官の証明予定事実にはそのあたりの期間(トロイ開発期間)、「業務にほとんど従事していなかった」とされていますが、決して遊んでいたわけではなく、あくまで本来の業務を試行錯誤したり、前のものを作り直して後退したりと、苦しんでいました。>
<バグだらけだったとしても、私なりに作業を進めていたのであり、それなりの成果物は存在するのです。是非とも、当時の私の成果物が何だったのかを確認してほしいと思います。そうすれば、当時私がiesys.exeを開発作成していたのではないことが分かって頂けると思います。> 

検察側が上記の証明予定事実を訂正したという話は聞かないから、今度の展開がなかったら未だに「乙社PCで開発した」と主張し、その根拠として「業務にほとんど従事していなかった」という主張を行っていたことになる。

しかし、前述の江川氏ツィートのように、片山氏は自宅で主に開発し、乙社PCには片山氏が云う「それなりの成果物」が残っていたことを野間氏が突き止めていた。
「それなりの成果物」の存在と「業務への従事」を巡って、弁護側と検察側が6月以降に予定されていた弁護側立証段階で論議したら、明らかに弁護側が勝っていた。
乙社での開発を前提とした、「業務にほとんど従事していなかった」という検察側主張は大きく間違っていたからである。
間違った主張に対して、野間氏が解析した「それなりに仕事をしていた痕跡」という正しい事実をぶつけたら、考えるまでもなく弁護側が勝つ。

そして、本事件の最大の核心は「遠隔操作」である。
それに対する検察側の主張は皆さんよくご存知の曖昧極まる「東京都内又はその周辺・・・」のままであった。
2番目の核心がトロイの開発になるだろう。
これも前述のように検察側の見立ての大きな誤りにより弁護側が勝つ。

核心の一番目と二番目がこれでは、裁判官は有罪を出せるわけがない。
もし有罪を出そうとすると、裁判官が検察側の主張に反して「それなりに業務はやっていた」と認定した上で、更に検察側主張を覆して「自宅で主に開発していた」と認定する必要が出てくる。
当事者主義における裁判官の役割として有り得ない話である。

これほど簡単な論理はないと思っているのだが、如何だろうか。
そして、今までの進行を見てきて今回の裁判長がそのような自主的裁定を下すタイプとはとても思えないことも補強材料だった。
「真犯人メールの事態がなかったら無罪は確実だった」、というのが当方の考える個人的真実である。

この非常に分かりやすいと思える論理帰結さえも、片山氏完落ちの影響で、「裁判を最後までやっても、無罪判決になることはなかった」というような見方が出てくるのは、当方には納得いかないことである。
もちろん異論はあると思うのでお寄せいただきたいが、心理面と共に開発面を重視してきたので、検察側主張が誤りだったと判明したからには、当然無罪につながっていたと当方は確信している。(片山氏の自供が無いまま推移していても、「乙社ではそれなりに業務をやっていた」というのは元々の真実だから、これからそれが表に出てくるところだった)

そして本事件で間違っていたのは弁護側ではなく、検察側だったということが最重要と考えている。
弁護側は被告人を無罪と考えるのは当然である。
しかし、税金を何億円も使ったと思われる捜査当局が、開発期間としても到底考えられない「乙社PCで開発した」という誤った見立てをして、更に「業務を殆どしていなかった」という事実誤認の主張を展開した。

特に「事実誤認」がポイントで、来月ぐらいには前述のように野間氏解析によって誤認が明らかにされる寸前まで来ていて、片山氏の失策で検察側が救われたというのが当方の情勢分析である。
そして、弁護団、特に佐藤氏は、積極的な会見実施と情報公開によりネット世論を形成するという前代未聞の新手法で、検察側事実誤認の敵失も併せて、無罪獲得へひた走っていた時期に味方失?で足元をすくわれたという経過と思う。

ところでrec*lde**des*さんは何故か佐藤氏に相当批判的のようであるが、検察側の膨大な請求証拠全てに採用同意するという日本の裁判史に残るであろう大技も繰り出して、味方失が無かったら本来有罪の被告人を無罪に出来ていた(可能性が高かった)というのは、客観的に見ても弁護士として超優秀と云うことになると思う。
(「弁護士にも真実追求義務があるのではないか」という話は、又別になるだろう。また片山氏の彼なりの巧妙さは、外から見ている者の方がアラが見えやすくて、実際に接すると分かりにくいものであったということかも知れない

当方はその佐藤氏が、またもや大失態発覚寸前だった検察側に頭を下げる構図になっているのは納得いってないし、検察側が今や上位のようになって裁判が進んでいくという有り得ない理不尽さに、佐藤氏が言っていた「天網恢恢祖にして漏らさず」も司直には通じないのかと悲憤慷慨中である。
ただ、検察側の中にもある程度分かっている人もいるようで、佐藤氏に対して「よくぞ生きて収監させてもらった」と感謝の言葉があったというのは、偽らざる本音が出たものだと当方も理解している。

以上