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IWJインタビュー

超長時間インタビューは色々示唆に富んでいたが、検察側証人の話が片山氏と佐藤氏から語られていた。同僚に渡したという「C#で作られたソフト」と「C#の能力」の件である。
他人DNAや雲取山で埋めていない主張などで、個人的にはこのところ検察側が押され気味の感じもしているが、ファイルスラック領域での痕跡などとともに、C#で作成されたソフトの件は貴重な攻勢ポイントかもしれないので文字起こしを掲載。
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(1時間30分頃~発言者敬称略)
佐藤「片山さんがちょっと同僚に渡した1日か(途切れたため不明…「1日か2日or1日か半日で作った」だと思われる)小道具的なソフトが有りました、それだけですから」(「小道具的な」は片山氏の補足)
片山「業務上で文字列を置き換えるとかいう処理を一括して行うようなプログラムが必要になって、別に製品としてお客様に売るものではないので、どんな言語で書いても良くて、目的の処理さえできればいいんで、丁度たまたまちょっと前に自社の先輩から丁度C#で同じようなことが出来る便利なサンプル(ソフト)の存在を聞いていたので、それをネットからダウンロードして、その時必要な条件に応じてちょっと改変してその人に渡した。それだけなんです。
それが実際の検察の調書だとどうなっているかというと、
『片山さんは私が見ている目の前で一からC#でプログラムを作っていった。片山さん凄い。C#出来ないなんて信じられない』
要約するとそういうような話なんですけども、事実でないことも含まれているんですけども、仮にそれが全部事実だったとしても、あんな小道具(のソフト)を作れたぐらいでiesysが作れることにはならない。」

佐藤「裁判でそれについての証拠調べというのがされたんですよ、第二回公判で。・・・」
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同僚の証言は「片山氏はC#出来る」と言ってることになるが、片山氏は「iesysとはソフトのレベルが違う」という趣旨を述べていると思う。
佐藤氏は証拠調べがあった話をされたが、残念ながらその詳細の説明は無かった。
検察側から「C#出来ると言ってるじゃないか」と攻める材料にはなると思うが、少なくとも調書の内容が明らかにならないと判定は難しそうである。

逆にこの話のあとで、片山氏が興味深いことを言っていた。
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(1時間52分頃~)
片山「iesysは(必要とされる開発能力の)レベルもそうですけども方向性が違う。
私は真っ当な業務用プログラムしか作ったことがない。
iesysのようなのはシステムの穴をかいくぐるような一種のマルウェアなので方向性が違う。
習得していた技術と、iesysの技術とは方向性が違う」
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これはなかなか的確な見方だと思った。やはり地頭は相当良いと思う。
その頭の良さはストレートな考え方には向いていても、穴をかいくぐるような考え方には向いていないということを言っているようである。

これは非常に重要な発言と当方は捉えた。
本人自身からこのような見解を聞けたことで、これまで持っていた違和感も相当説明が付いたように感じる。
というのも、iesysは「ひねった考え方」が得意な人物が作ったのではないかと推測しているからである。
それに対して片山氏は「ストレートな考え方」をする人物と本人自ら話した。
技術者にも色々なタイプが居て、それぞれは余り分かり合えないことがよくある。
だから、iesysの評価なども分かれているのではないかと思う。
つまり「ひねった発想」の価値が分かる人は評価するし、そうでないストレートな考え方の人は技術的には大したことがないと見たりする。(片山氏はストレートの方だが、iesysが高度であることは認識しているようである)

また「方向性の違い」ということは、ssssさんから「合戦祭り写真極めつけ」2014/2/27(木) の記事に頂いた以下のコメントにも適合してくると思える。
< のまねこ事件を起こした犯人にも見えませんよね。外見だけでは何とも...
 この事件自体も凶悪犯罪ではないので、犯人像が全く一致しないことはないです。>

のまネコ事件」は無線LANタダ乗りの手法であった。
それと合戦祭りの写真は合致しなくはないと当方は思う。
両方共比較的単純に愉快になれるものだからである。

ただ、無線LANタダ乗りでも更に発覚を避ける工夫はしていたようだが、それは戦国祭りにわざわざ岐阜まで行ったり、鎧装束の準備をしたりする手間を掛けることと同じようなレベルにも思える。
しかし、iesysは前述のようにひねってある。いや「ひねりにひねってある」と云うべきか。
そういうものを密かに考えて作る人と、戦国時代のコスプレをしてニコニコと多くの人の写真に収まる姿は余りにも乖離があるように感じる。

このような推論の流れがあるから、以前の記事でも述べたように「外観だけ」での判断ではなく、外観は人物像の最後のピースだったという経緯である。
また、合戦祭り写真が衝撃的な犯行声明メールのたかだか10日後ということも、心理状態や人物像の推察においては考慮する必要があると思っている。
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本日は以上であるが、ここからは当方のメモ的な内容。
今回の事件はまさに方向性が違うような事象が随所で絡まり合っているように思う。
やはり、「複数」というキーワードを持ち込まないと説明がつかないかもしれない。
ただ、その複数も以下のような場合が考えられるだろう。
 (1)片山氏と片山氏のPC等を遠隔操作したという真犯人
   →弁護側の当初よりの主張
 (2)2重人格的な精神状態
   →当ブログでも検討の俎上には上げたが実際の可能性は極めて低いと思われる
 (3)共犯者や協力者の存在
   →検察側の雲取山での「情を知らない第三者の可能性」はどうなっただろうか?
    ちなみに公判前整理手続でこの話が出た時は爆笑だったと片山氏がインタビューで言っていた
    (公判でも持ちだしたら同じ事になるだろうから検察側は出さないと思われる)
 (4)その他
   →全く不明

今のところ単独か複数か自体も含めて決め手は無いと思うが、当方の技術者としての経験で「有り得ない状態が起きているときは原因が複数あることが多い」という考え方のノウハウもあるので、「複数」も頭の中に置きながら更に考えてみたい。

以上