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事件構図のシンプル化

まず今日は第二回公判日。どのような証言が出て来るか。
その前日に高裁保釈決定→特別抗告は驚いた。それでも最高裁で認められると信じたい。
さて被疑者(保釈を区切りにして本名にする予定だった)保釈記念で、本事件の構図をシンプル化してまとめてみたので、保釈決定は延びたが記すことにする。
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本事件で被疑者が特定され、逮捕に至ったきっかけは江ノ島事件だった。
それに対して、逮捕後すぐから被疑者・弁護側が強く主張していたのは「C#出来ない、iesysは作れない」ということだった。

その後ドロップボックス&FBI、「東京都又は・・」の曖昧な起訴、USBメモリ5月発見、監視カメラ映像、開発の痕跡、被疑者PC遠隔操作主張、検索履歴、ポータブルアプリケーション、撮影実験、合宿アリバイ、ポリ袋の違い・・・、などの様々な要素が出てきた。

しかし、原点の「江ノ島」と「iesys作れない」は、どちらか一つでも証明されれば白黒付く問題という認識は当初からあったと思う。それで被疑者に関するこの2つを命題として考える。
  [命題Ⅰ]…被疑者は猫にSDカード付首輪を付けた(=100%有罪)
  [命題Ⅱ]…被疑者はiesys作れなかった(=100%無罪)

それで、命題Ⅰは「5分間問題」で被疑者が付けたことが証明されたとする。
命題Ⅱも「それなりの成果物」や被疑者開発状況証言及び今後の関係者証言等で証明できるとする。
そうなると、図で表せば以下のようになって、白黒両方共100%成り立っていることになる。

イメージ 1










これは更に本事件の最大の特徴を表すであろう以下の命題につながる。
  [命題Ⅲ]…本事件は余りにも不思議なことが多い
「余りにも」や「多い」は本来命題の表現として適さないが、感覚的にはこの方がしっくり来ると考えて、まず「余りにも」は「過去に例がないぐらい」と読みかえれば分かっていただけるだろう。(実際に例がないかは今後調べてみたいが、少なくとも当方は聞いたことがない)
そして、「不思議なことが多い」は「100%白と100%黒のぶつかりあい」であるから、矛盾点が多くなるのは当然と云える。
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このように整理してみると簡潔になったが、結局命題Ⅰ~Ⅲから言えるのは、「有りえない事態」が起きているということになる。
異常な事態というしか無いが、他の色々な要素は排除されて問題の本質は見えてきた。
当方も皆さんも「有り得ない事態」が現実に起きている状況を目の当たりにしているのである。
これををどう捉えていくか、じっくり考えてみたい。
また、この状態に被疑者保釈されると、被疑者本人が大きな要素として加わってくるので、今後新たな展開もあり得るだろう。

なお、「[命題Ⅱ]が証明出来るといえるのか?」という疑問は出て来ると思う。
これについては、開発マネジメントが当方の最得意分野ということも有り、今後公判での上司や同僚など開発関係者の証言等も手掛かりに検証していく予定。

また、現時点でも少し説明しておくとval*gar*yさんから以下のコメントを頂いている。
 >被疑者の主張する「成果物」では、到底アリバイとは認められないと感じます。(スランプ中に作成したバグだらけのコード)
一般的にはその通りで、適当に作った成果物なら時間もかからず、「iesysを開発する時間も取れたのではないか」という推測ができてしまう。

ただ、被疑者は以下のように述べている。
決して遊んでいたわけではなく、あくまで本来の業務を試行錯誤したり、前のものを作り直して後退したりと、苦しんでいました。>
バグだらけの成果物からでも、試行錯誤や作り直ししていたことがわかれば、「本来業務に時間を掛けていた」という証明になり、「iesys開発は時間的にも困難だった」という証明につながることが考えられる。
これに心療内科受診という精神状態の要素が加わる。

被疑者が云う「それなりの成果物」の詳細はまだ出てきていないが、< 是非とも、当時の私の成果物が何だったのかを確認してほしいと思います >という明確な発言と、心療内科受診の事実は動かせないということで、当方はやや先走りながら[命題Ⅱ]も証明できると考えている。(個人的には現時点でも固いと思っている)
その意味で、開発関係者証言のみならず、医師の証言も注目している。

また証明の手法としては、成果物だけでなく、メールや雑多な作成ファイル類、打合せや会議の記録など残存資料を徹底的に収集して総合すれば、被疑者説明の真偽は充分判定可能と考える。
例えば資料に加えて、被疑者にできるだけ思い出してもらって、6月~8月の毎日の業務記録を作成するようなことも出来るだろう。
覚えていない部分や資料のない部分があって虫食い状態でも、全体的に見ればiesys開発の時間が取れたかどうかは見えてくるのではないか。
更に補強証拠として、隣の席や後ろを通ってタバコを吸いに行っていた同僚による被疑者の様子や、後から応援に入った技術者の証言もこれから出て来るだろう。

[命題Ⅱ]の証明は様々な角度から行っていけると思う。
当方はこれを当面の最重要課題と位置づけてみようと考えている。

以上