kensyou_jikenboのブログ

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検察側の問題点

rec*lde**des*さんから当方検討以外のアリバイ問題点を色々ご紹介いただいた。
コメントを頂くと、検討するべき課題が見えたり、当方の考察抜けに気づいたり、様々な面で助かっておりコメントを寄せてくださる皆さんに深謝。

さて、アリバイ面での問題点が色々洗い出されてきて、弁護側のアリバイ立証に向けての課題が見えてきたと思うが、では検察側がすんなり押しきれるかというとそうでもない気がしている。
佐藤氏は今回の会見で以下のように述べている。(5分20秒頃~)
<検察官は何故横綱相撲で臨まないんだ?というふうに言ったところ、平光公判副部長は「横綱相撲ができないからこそ沢山の証拠と証人を必要としている」と率直に認めた。
 つまり検察官の立証は現時点で極めて困難な状況を呈している。
 それで平光検事は、あるいは検察官は一貫して「間接事実の積み重ねによって有罪を立証する」と言っているが、そうせざるを得ないというのが実際である。>

検察側は立証に苦労しているということになるが、現在見えてきているアリバイ面の弁護側課題は、検察側はもっと早くから見えていたはずである。
というのは、我々部外者では入手できないアクセス記録をそれこそ山のように持っているのは間違いないからである。

このところ当ブログで取り上げているYahooアカウントアクセスでは、11月15日以降のメールチェック用アクセス記録があるのは確実。
「onigoroshijuzo2@yahoo.co.jp」のアクセス記録も未公開だが必ずある。
後はDropboxやAxfcアップローダなども使用されている。書込代行依頼もある。
本来はこれに遠隔操作犯行のしたらば掲示板アクセスと生IP検索履歴の分なども加わると思われるが、それを別にしても、今まで我々が知り得た件数の倍とかそれ以上あってもおかしくないと個人的には考えている。
例えば、Dropboxにはiesys.exeの様々なバージョンがあるとのことで相当なアクセス数と考えられる。
Axfcアップローダは遠隔操作だけでなく、犯人からのメールのファイル添付にも使用されている。
「onigoroshijuzo2」のアカウントへの頻繁アクセスというのも事実とすると実際にどれぐらいあるか。

これら多数のアクセス日時を一覧にして並べておいて、佐藤氏の条件はアリバイ捜査のプロである警察・検察は元から承知のことで、それを適用すれば良い。
全部のアクセスに逆アリバイ工作するなど到底無理だし、工作してなければ必ずアリバイ成立するポイントが出てくることは、ひと目で直感的に理解できるだろう。

よって、検察側は「間接事実・間接証拠の積み重ねによる証明を余儀なくされている」という中途半端な姿勢ではなく、被疑者・弁護側に対して最初から論理的にこう云えば良かった。
<真犯人が別にいて被疑者に罪を着せようと工作してそれが完全だとすると、被疑者は遠隔操作犯行及び関連アクセス時のアリバイが全部真犯人によって崩されていることになる。
 しかし被疑者のアリバイが一つでも成立すれば真犯人がいる証拠に成り得るので、アクセス一覧があるから被疑者・弁護側はアリバイ可能性のある時間帯を出してください。検察側で全部裏付け捜査します>

これが横綱相撲であると思うし、佐藤氏からそれを求められる前に、検察側自ら充分出来たのである。
当初からこれで詰んでいた可能性もあったと思うが、検察側は裏付け捜査どころか、アリバイ検証に必須な取調さえ殆どやらなかった。
そのため、「間接事実・間接証拠の積み重ねによる証明」をするにしても,その基盤となる被疑者の供述が全くと言っていいぐらい得られていない。すぐに出来たはずの監視カメラ映像の公開引き延ばしなども含め、判断ミスの連続と言えよう。
そんな状態で起訴しておいて、捜査継続を理由に肝心の犯人性をなかなか示そうとしなかった。

犯行は多数でも同一犯と見ていて、昨年から捜査済みの部分も多く、江ノ島で特定してから逮捕まででも約1ヶ月あった。逮捕から初回起訴まで約1.5ヶ月。
起訴後も再逮捕を繰り返し、更に約3ヶ月もの長期捜査して追加で得られた証拠がどれなのかはよく分からず、殆どが最初の起訴時、遅くとも5月の証明予定事実記載書や第一回公判前整理手続までには入手していたのではないか。
又それが本来当然の捜査や起訴の進め方である。

しかし、取調も行わず何を捜査していたのかも明らかにされない捜査継続と曖昧な「証拠隠滅の恐れ」などで、深刻な人権問題にも当たるであろう長期勾留や接見禁止が続いてきた。
又検察の姿勢だけでなく、警察の方も大阪府警等の報告書を検証してみたら、今回ハイジャック防止法違反という罰則規定が重い罪に問われる原因となった日航機予告の件に全く触れていないなどの唖然とするような対応も分かってきた。

更に以上のような検察・警察の問題点は報道も少なく一般には余り伝わっていないと思われる裏事情的なものだが、本事件では世間にも知られた「誤認逮捕」や「内偵段階での被疑者情報漏れ(とそれに依る任意捜査不能)」、「雲取山で発見できず」などの大失態も有る。
こんな状態で被疑者の有罪だけ認めてくれと言われても、”裁判官が自由心証でどう判断するか”という根本問題が残るのではないかと当方は考えている。

また、別角度から大胆に先を読むと、被疑者も時間の経過とともにアリバイ面などで矛盾が露呈してくることを最初から想定に入れていて、rec*lde**des* さんのコメントにもあった「どんでん返しのような仕掛け」を用意しているかも知れない。
例えば日曜日や勤務時間後の遠隔操作のどれかに、「PC操作できない状態だった」というようなアリバイ偽装を仕込んであって、公判になってからタイミングを測って出すようなことが今後あり得るか。
或いは今もアリバイ証明に向けてアイデアを捻出しているかも知れない。

その場合、真のアリバイは成立しないものであっても、容易に崩せないレベルのものが、もし出てくると検察側も苦しくなる可能性はあり得る。
(なお、今後別途検討してみたいと考えているが、被疑者の能力レベルは当初語られていたより相当高いように当方には思えて来ているので、特にツボに嵌ると思いがけないアリバイの仕掛けやアイデアが出て来るかもしれない…この辺は個人ブログの自由さを活かした独断による大胆予想である)

以上