第7回公判前整理手続後記者会見について(1)
今回の会見では「2月に初公判の見通し」という点が報道でも取り上げられ一番注目されたと思うが、色々新事実もあったので本日はざっくり目についたものを記載。
まず「USBメモリとSDカードのタイムスタンプ」の話は、丁度昨日記事に書いた1月4日の時系列の話も関係してくる。
佐藤氏はUSBメモリとSDカードの日付をポイントに挙げていたが、それらを渡すために作成したメールに関連するファイルの日付も併せて考える必要があると思われるからである。
ファイル日付という簡単そうに見える事項でも、PCのファイル管理仕様等、更には偽装の可能性などまで考慮したら複雑な話にもなるので、特別弁護人という方がどのように技術的な面から斬りこんでいくのか注目することになりそうである。
続いて、「USBメモリの方にはVisual StudioのUltimate版も入っていた」という件。
早速調べてみたら重要な事が分かった。「Ultimate版」も評価版は30日は無料なのである。
しかも登録（無料)すると90日まで使えるとのこと。90日あればトロイの作成にも十分使えたことになるだろう。
（当方は登録するとずっと使えるExpress版の方を使用しており、Ultimate版の評価版は使用実績なしで実際にダウンロードして確かめたわけではない）
Microsoftの資料を以下に添付する。
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(1)VISUAL STUDIO 2010 のダウンロード
Visual Studio 2010 Ultimate 評価版 (日本語)
＜ご登録いただくことによって、評価期間を 30 日間から 90日 間に延長できます。 ＞
(2)方法: 評価版の Visual Studio からアップグレードする
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/vstudio/gg442061(v=vs.100).aspx
(3)Visual Studio 2010 Express の製品登録をしましょう
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佐藤氏が持って行こうとしていたと思われる方向とはいきなり違う事実で、「特別弁護人さんしっかりしてよ」と云いたくなるが、まだ慣れていないということも有るのだろう。
検察側についても、当方で薄々感じていた疑念が事実であることがわかった。
佐藤氏によると7月10日に犯人性についての証明予定事実記載書第三部が出て、7月26日にCSRF犯行の記載書が第四部として追加され、それ以降は検察側からまとまった資料は示されていないということである。
これは検察側からすると、捜査が6月末に終了してその結果をまとめた証明予定事実記載書を出して、それに基づいて整理手続や公判に臨むということである。
ごく当たり前の話に聞こえるが、実は非常に問題が有る。
証明予定事実記載書を出したら、その後は捜査はしないというのが今回の検察の姿勢であろう。
だから，弁護側が例えば2ch事件などを提起しても、検察側は「手持ち証拠はない」の一言で終了だったのである。
後は「本件と関係ないからアリバイも関係ない」などと意味のない、佐藤氏曰く「トートロジー」を捜査も調査もせずに述べるだけ。
だから、「被疑者旧本名のツイッター」や「イヴとの関連性」など何を提起しても同じになると思われる。
また、昨日記事の意図不明なネットカフェ利用や、以前紹介したyahooアカウントのTorアクセス履歴(犯行声明・自殺予告メール送信時と記者アクセス以外）なども検察側は全く解明するつもりは無いということになりそうである。
しかも、後から明らかになってきたこれら多数の不可解な謎だけでなく、「はちま起稿」での犯行予告との関連性やその前段階の犯行予告の可能性など、本事件の全体像に関する検討が当方のような一般人でも或る程度まで出来るのである。
犯行予告という直接行為に対する大きな流れの可能性まであるのに、検察・警察側は膨大な捜査結果と追加捜査もできる能力・権力を持ちながら、大きな流れも細部の謎も徹底解明に取り組むことなど考えず、猫の写真やキーワード検索や各種痕跡など断片的な間接事実で有罪主張をしていくということになりそうな気配である。
真相に迫らなくてもとにかく有罪を取れば良いという姿勢であるなら、これほど大きな影響をもった事件への対応として全くそぐわないと当方個人的には考える。
今後公判で我々にも詳細が明らかになるであろう証明予定事実記載書で全体像にも迫っているならまだ納得性も出てくるが、もしそうでないなら引き続き独自視点で本事件の全体像とそれを構成するディテールを見て行きたいと思う。
本日以上であるが、会見の中で＜被疑者アカウントの「したらば掲示板」に指令書き込みがあった＞という件は驚愕もので、もし本当なら直接事実に非常に近いと考えられる。
これがあるなら、(当然弁護側は別として)検察側は間接事実の積み重ねだけでなく、「直接事実も有る」と云えば良いと思うのだが、また検察側の不可解さが増した。
残念ながら「したらば掲示板」に関しては一番情報が無いが、今後出来る範囲でこの件は考えてみたい。
以上
