三重犯行ラストメッセージ記述
本日は公判前整理手続第７回が行われ、弁護団記者会見もあったと思われる。
整理手続も後一回という大詰めを迎えてきて、本日の内容によって今後の行方なども推測してみたいと考えているが、ビデオアップがいつになるか分からないので引き続き事実関係の考察実施。
このところ紹介してきた三重犯行の予告書込順番は概略以下のようになる。
(2)約9分空いて伊勢神宮宛書込（3件）
(4)伊勢神宮宛書込（1件）
(7)任天堂本社宛書込(12件)…最終書込時刻16:45(初回書込からは約１時間20分)
→実際はもっと長そうである、１時間半～２時間以内ぐらいか）
これに対してラストメッセージで犯人は次のように記述している。
＜最初の感染確認後すぐ遠隔操作で２chに伊勢神宮脅迫書き込みを行い、その後しばらくPCの中身を物色していたのですが、
iesysのキープアライブ通信が途絶え、オフラインになってしまいました。
単にオーナーが電源オフにしたのかと思い、自分でプロセス停止をしたことまでは分かりませんでしたが。＞
両方を比較してみるとラストメッセージ記述は以下の点が実際と異なる。
2．ラストメッセージでは「（伊勢神宮書込み後）しばらくPCの中物色していたのですが、iesysのキープアライブ通信が途絶え、オフラインになってしまいました」と書いてあるが、実際はオフラインになる前は任天堂本社宛に約35分も連続してスレを変えながら書込を行っており事実と違っている。
こうして比較して見てみるとラストメッセージ記述は実際と違いすぎることが分かってくる。
ラストメッセージの記述は相当部分信頼性が有るのではないかという雰囲気を醸し出していたが、そうではない部分も多そうである。
それで一番影響を受けるのが、ラストメッセージの主題とも云える以下のストーリーである。
＜■なぜこうしたことをなさったのですか 警察・検察にどんな恨みがあったの？動機について詳しく教えて。
私もまた、間違った刑事司法システムの被害者です。
ある事件に巻き込まれたせいで、無実にもかかわらず人生の大幅な軌道修正をさせられた人間です。
・・・
サイバー関係ではありませんが、彼らが間違いを犯した原因の趣旨は、その事件も今度の事件も大して変わりは無いものです。
・・・
そして、そのとき私は負けてしまった。やってないのに認めてしまった。
起訴された。公判で「反省している」と発言した。
おかげで刑務所に行かずに済んだが、人生と精神に回復不能な大きな傷を残した。
一連の事件は、私が「負け犬」から復帰するためのリベンジと言えます。＞
最初からこのようなストーリーに疑いを感じていた方も多いと思うし、当方も疑問を持っていたが、それが上記比較などの事実に基づいたチェックで明確になってきた。
そして、当方が現在考えている犯人の動機は「愉快犯」ということである。（当ブログ初期に書いた動機推定の「技術的興味」は犯人にとっての「愉快」の中に含まれると考えている）
例えば、上記の三重犯行でも任天堂宛に12回も同じ文面をスレを変えて書き込んでいる。
警察に通報させて無駄な警戒態勢を取らせ誤認逮捕も行わせて、振り回してリベンジするのが目的なら、同じ内容を12回も違うスレに書く必要はない。
人が多いスレを選んで数回でも書けば充分であるし、一回でも大体通報してくれる。
回数や宛先を多くして書き込むのは、犯行予告をすることが愉快になっているから出来るだけ多数かつ色々な書き込みをしたくなる。
これは2chの犯行予告まとめスレを見ていて大体分かってきた心理である。
犯行予告は中毒性が有ると云っていいのかも知れない。
犯人はラストメッセージでプロファイリングの混乱を狙ったようなことを書いているが、今回の犯人像の基本は「愉快犯」ということだと思う。
以上
