kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

スマホ遠隔操作の可能性に関して

tsunさんから以下のコメントを頂いた。
>1つだけとすると、被疑者のスマホが遠隔操作された可能性が否定できないと思います。

そして以下のYahoo知恵袋のQ&Aもご紹介頂いた。
>また下のQ&Aには、「googleアカウントが漏れれば、Androidスマートフォンのほぼ全情報を抜き取り、遠隔操作も可能です」という情報もあります。
>httpコロン//detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1267541517

見てみると、確かにその情報が記載されている。
 Yahoo知恵袋”ドコモのスマートフォンです。遠隔操作で他人のID、パスワードがわかれば見れるって本当?”
 <ベストアンサーに選ばれた回答
  「googleアカウントが漏れれば、Androidスマートフォンのほぼ全情報を抜き取り、遠隔操作も可能です。」>

知恵袋には他にもスマホ遠隔操作の質問があったので、見てみたら以下のQ&Aがあった。
 Yahoo知恵袋”パソコンで、スマートフォンを遠隔操作出来るって本当ですか?”

その中にURLが紹介されていたのが以下の記事で、更に【参考】記事が紹介されている。
 ”警告!スマホの遠隔操作に気をつけて”
 【参考】
 ※ 株式会社Doctor Web Pacific『Dr.Web?アンチウィルス』
   ”2011年4月のウイルス脅威”
   <新たなモバイルマルウェア
   Android向けの最初の本格的なバックドアが4月に発見され、現在ではそのよく知られた亜種が既に2つ存在しています。Android.Crusewinはいくつかの新しい手法を使って広がり、これまでに知られていないペイロードを含んでいます。
   被害者は次のようなメッセージを受け取ります:「MMS / GPRS / EDGEのアップデートされたコンフィギュレーションを受け取りました。新しいコンフィギュレーションを使うには次のリンクに進んでください:  http://.../flash/MM329.apk»」。このリンクをクリックすると、Trojan APK(Androidパッケージ。このフォーマットのソフトウェアはAndroidマーケットで入手できます。)がダウンロードされてしまいます。>

リンクを追うのが長くなってしまったが、要するにAndroid向けのバックドア(トロイの一種、今回のiesys.exeもこれに分類)は存在するが、メールを開けてリンクを踏むと感染する方式のようである。
そして、googleアカウントが分かればアカウントの持ち主にメールが送れるから、「googleアカウントが漏れれば、Androidスマートフォンのほぼ全情報を抜き取り、遠隔操作も可能です」ということになるのかも知れない。

この方式では、よくわからないメールのURLなど踏まない人には感染させることが困難になる。
実際今回の事件のトロイの方式は、2chでソフトを探している「人から貰った、或いは紹介されたソフト」を使う気満々の人達というターゲットを見つけて、そこにTorによる書込代行依頼を組み合わせてトロイをダウンロードさせたことに最大の工夫があると当方は捉えている。
その上で更に「したらば掲示板」経由という手法を使用した遠隔操作により、「CSRFより柔軟な予告ターゲット設定」と「誤認逮捕」を意図したマルウェアになっている。

技術的に見ると、「exeファイルを踏んでくれる人」(プログラムファイルを実行してくれる人)になら、トロイでも何でも感染させることは出来るのである。(但しウィルス検知ソフトに引っかからないもの)
しかし、以下の江川氏記事の被疑者自身の言葉のように、ある程度パソコンのことが分かっている人は今やよくわからないメールに添付されたプログラムファイルなど絶対に開けないことが常識になっている。

 【PC遠隔操作事件】被疑者の素顔を弁護人に聞く
 <ーーウィルスとか遠隔操作などに興味は? 
 「ない」と言っています。それで、「セキュリティの開発のためには、(日々進化する)ウィルスとデッドヒートを演じている演じているわけで、そういうことに関心を持つこと自体は悪いことじゃないんだよ」と水を向けてみました。でも、本人は「セキュリティには関係ないし、MALWAREには全く関心がない」と。ハッカーの情報を交換するサイトがあるらしいけど、と聞いても、「そういうのは見たことがありません」と。 
 それで、彼自身がウィルス対策をどうしているのかを聞いてみました。すると「Win8はウィンドウズディフェンダーがついているし、その前のWin7の時にはマイクロソフトで無料のソフトを手に入れた」とのこと。その程度で大丈夫なのか、と聞いたら、「危険なリンクには近づかないから」と言っていました。 >

よって被疑者がスマホでもそんな危ないリンクに引っかかるとは考えられないわけである。
そのため、被疑者スマホが乗っ取られていたことは考えにくい。

では、メールに添付されたアプリだけでなく、正規に配布されているアプリの中にトロイなどが仕掛けられていたらどうか。
iPhoneに比べてAndroidはアプリチェックが厳格ではないので、マルウェア入りのソフトも発生しているようである。

しかし、それでもPCと違ってアプリをダウンロードする際は「Google Play」という仕組みがあって、スマホ画面上では「Playストア」というアイコンになっているダウンロードソフトでアプリを取り込む。
この場合、スマホに登録したGoogleアカウントで行われるので、Googleのサーバーには当然どのアカウントでどんなソフトがダウンロードされたか履歴が残る。
ドコモにも何らかの通信記録が残る可能性がある)

アップロードされたマルウェア入りアプリソフトもサーバーにあるし、アップした人が削除してもGoogleのサーバーはある程度の期間記録として残しておくことも充分考えられる。
被疑者がダウンロードしたアプリは調べられるし、そのアプリ本体も取り出せる可能性が高いのである。
もし感染があったとしたら昨年10月以降ぐらいだろうから、容易に調べられる。
本事件はFBIが関与しているぐらいだから、Googleにそのような記録を出してもらえる可能性はあるだろう。

つまり、正規ルートのアプリ(Playストア経由)で被疑者のスマホが乗っ取られていた可能性があるかどうかは、調査が可能。
後はその調査結果と、被疑者にスマホにどんなソフトを入れた可能性があるか聞いて突き合わせていけばスマホ乗っ取りの可能性は検証可能。
この点で検察が取調を行わなかったことが又問題になるだろう。

考察以上であるが、最後に記した「取調を行わなかった問題」はアリバイ立証でも同様である。
公判前整理手続でも尋問などは行われないから、仮に10月まで設定されている手続で争点整理ができて公判に移っても、取調でやるべきことを公判でやることになってしまう。
取調と違って、一問一答でも裁判進行上の形式があってスピーディは行かないだろうから、公判はどれぐらいの期間がかかることになるのかと思ってしまう。

以上