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監視カメラ画角再検証

先月の週末に被疑者も食べたという「しらす丼」を食べに江ノ島に行ってきたので、その際に監視カメラももう一度見た。
来たる7月10日には検察側が犯人性の証明を示した「証明予定事実記載書」(第3部)が出る予定になっているが、「ネットカフェでの動作実験」が検察側立証のポイントになりそうである。「実験」ということは、検察は遠隔操作そのものの証拠を持っていない可能性がある。それだと状況証拠も重要になってくるが、今回の事件の状況証拠といえば、やはり江ノ島の猫の首輪に関するものであろう。

特に監視カメラは重要になるので、もう一度頂上公園のカメラを見てみたら、大道芸をやっていて人の多い時間帯であったが、やはりカメラは回転していなかった。
ただし、カメラの向いている方向は、通路だけというよりもっと広場寄りを狙っているようだった。それで通路と広場の両方が監視できる方向がカメラのセンターとして、Panasonic監視カメラの仕様も取り入れて画角と撮影範囲を再検証してみた。(写真はgoogle航空写真で以前の記事と同じ)
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カメラのセンターを広場寄りに修正しても、広場にいる人は映るが猫の位置まで直接映すのは厳しそうである。逮捕直後の記者会見で捜査一課長が「防犯カメラに映っていたが、手元までは映っていない」と述べていることと合致する。また、捜査一課長は「首輪を付けたかどうかというのは今回の逮捕事実の中には入っていない」とのこと。
それに対して、先日紹介した以下の資料によると、上本検事の意見書には「江ノ島の猫に首輪を付けた」と断定するような記述がある。
”上本検事の意見書:「被告人は、自宅パソコンや元勤務先パソコンの記録をほぼ完全に消去する手段を講じていた上、犯行当時所持していた携帯電話、本年1月3日に江ノ島の猫に首輪を付けた際に所持していたリュックサックなどを売却し、本件犯行時に使用したと思われる道具関係をことごとく処分して罪証拠隠滅工作を図っていたのである。”

実際の捜査を担当した警察が慎重なのに、検察が「首輪を付けた」と断定するだけの証拠を持っているのだろうか。未だに監視カメラ映像が出てこないことからしても甚だ疑問である。

江ノ島では3台あるという全周型の監視カメラのもう1台も海岸沿いでたまたま発見した。写真を以下に示すが、これも回転していなかった。目の前に駐車場の出入り口があって、そこを固定で狙っているようだった。
やはり、カメラを常時回転させるておくというのは、技術者の観点からすると故障の原因を作っているようなもので余りやりたくないだろう。故障が多いとユーザーからもクレームが付くし、肝心なときに映っていないというのが一番問題になる。
では回転させないのに、なぜ全周型を使用するのか。理由は大きく二つ推測できる。一つは、カメラカバー部が黒い半球状になっているので、一見して全周タイプに見えるために犯罪者に対しては抑止力になる。
もう一つは、何かあった時に遠隔制御で角度を変えることにより、見たいところが見られるようになる。これらのために、回転させなくても全周型を取り付ける効果はあると思われる。
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なお、本日千葉で複数のコンビニのパンなどに針を入れた犯人が、偽計業務妨害罪で逮捕された。そのキッカケとなったコンビニの防犯カメラ映像も早速TVで公開されている。業務妨害罪は同じなのに、何故本事件は検察が「首輪を付けた」と公式な意見書に書いているにも関わらず、映像が公開されないのだろうか。本事件は本当に特殊(裁判長の言葉では異例、異常)な事態となっている。
更に付け加えれば、江ノ島の監視カメラ映像を一般公開して、1月3日午後3時前から4時頃にかけての猫の写真を全国的に募集するべきである(首都圏でも良いが、全国からも観光客が来ている可能性がある)。それをやれば、もっと早く決着が付く可能性がある。被疑者は顔を既に晒されている。今からでも募集すべきであると思う。弁護側は警察・検察が集めたであろう猫の写真の証拠開示請求も有効だろう。

あの猫が現れると、人が必ず集まってきて写真を撮る。この前もそうで以下の写真のような光景が続く。1月3日という初詣で混む日なら、1時間の間でも百枚以上の数で残っていてもおかしくないと思われる。被疑者が猫の近くにいたのは3時前後らしいが、広場を離れてから4時頃までの間の写真も沢山出てきて良いはずである。例えば3時半頃の決定的写真も多数あって不思議ではない。真犯人からのメールがなくても、本事件は猫の写真で白黒が突然決着する可能性もある。(その場合、画像や日付の修正には十分注意が必要だが、多くの写真を集めて見比べれば真偽はわかってくる。特に有力な証拠となりそうなものは提供者の協力を得て詳細な撮影状況などを確認することもできるだろう。まずは早い収集が最重要)
猫の写真の正式な募集は、誤認逮捕事件で得た教訓である「白にする捜査」、少なくとも「中立的な捜査」の好例になるだろう。その意味でも検察・検察は写真収集にもっと真剣に取り組むべきと思う。
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以上