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被告人冒頭陳述と江川氏の読み

片山氏の冒頭陳述を紹介する江川氏記事に雲取山の話がまとまって載っている。長文になるが引用。
”初公判で被告人冒頭陳述を聞く”2014年2月13日

<「その日私がUSB メモリを埋めた」と検察は主張していますが、どう考えても不可能です。私が山頂にいた30 ~ 40 分の間に1 人になったことはなく、最低でも3 人、多いときで6 ~ 7 人にはなっていました。面積が広いわけではない山頂で、誰にも見とがめられることなく穴を掘って何かを埋めるようなマネはできません。他の登山客と,「どちらからおこしですか?」程度の軽い会話もしましたし、カメラのシャッター押しをたのまれたりもしました。 
地面を掘ることができたか?について。弁護側は地面は「凍結していた」と主張し、検察側は「凍結していなかった」としています。私としてはそもそも地面を掘って何かを埋めるという発想自体がなかったのでどっちなのかは分かりませんが、少なくとも山頂の土は多くの人が訪れて踏み固められた状態でした。フカフカの土などではない、固い地面だったと思います。仮に凍っていなかったとしても,スコップのような道具がなくては、(例えばそこらで拾った棒きれなどでは)穴を掘ることはできません。これは夏に行ったとしても同じだと思います。そして、私がスコップのようなものをかついで登った事実はありません。>

これに対して江川氏が以下のように感想を書いている。
同じ頃にこの山を登った人から話を聞けば、彼の話の真偽は分かるだろう。警察は、登山客からも写真の提供などを受けているようだが、それに照らして、片山氏の話は不自然と言えるだろうか
非常に慧眼であり、現在の当方の意見と同じになる。

江川氏は江ノ島猫の首輪の件で現地まで行って独自取材を敢行し、「【PC遠隔操作事件】猫の首輪は付けかえられていた!」(2013年4月6日)という名記事を書いておられる。
雲取山も江川氏の当初読み通りになっているから、虚偽証言の記事も書いて頂けることを期待したい。第14回公判も傍聴していた江川氏が、いつこの事態に気づかれるであろうか。

特に注目すべきは、冒頭陳述での片山氏の話は他の登山客の写真や情報に照らして不自然では無いことを、警察・検察は知っているのではないかと思える節が有る。
rec*lde**des*さんの第13回公判メモで、「埋めた時間については、(検察官取調要旨朗読で)検察は言いませんでした」とのこと。これは同じく傍聴しておられた江川氏も聞いていると思う。

更に以前の記事でも指摘したが、全面自供後の調書要旨朗読を聞いておられたrec*lde**des*さんと江川氏の傍聴メモで、「埋めた時間」のみならず、山頂到着時刻や下山開始時刻、そして埋めた位置などの重要事項が書かれていない。これは実際にも調書に記載が無いのではないかと当方は推測している。

これら重要事項を調書に載せるとなると、片山氏が「雲取山で埋めた」としている証言の行動との合致が必須になる。しかし、証言が虚偽だから調書も虚偽となってしまう。それを避けるために「虚偽になる部分は調書に書かない」という手段を取っているのではないかという推測であり、もしそうなら大きな問題だろう。
果たして真相はどうなのか、江川氏が追求する対象としてはピタリだと思う。
弁護団取材等を通じて調書内容との照合を行うなどで、自供前と後のどちらの雲取山証言が自然な真実なのか?について調査していただき、名記事を期待したい。

なお、同じく第14回公判を傍聴しておられて、公判後記者会見等でもいつも鋭い質問をしておられるビデオニュースの神保氏にも再度連絡を入れてみた。
先週は「問合せ欄」への記入であったが、日本ビデオニュース(株)の連絡先メールアドレスがあったので、そちらの方にも公判時に片山氏が印した再現写真を添付して送信させて頂いた。
本事件を当初から追っておられる、お二人の独立系ジャーナリスト魂に期待したい。(なお、江川氏にはTwitterで先週お知らせしたが届いているか分からず、「江川紹子ジャーナル」はずっと更新がないようなので、連絡入れられる手段をご存じの方は「内緒コメント」などでお知らせください。或いは「重大な虚偽証言が有って雲取山は当初読み通りになる可能性が出て来ていますよ」、ということを江川氏にお伝え頂くことでも結構です)

以上
[追記]

雲取山の件の重要性について、皆さん良く認識されておられることではあるが改めて確認。
江ノ島がきっかけで逮捕され、監視カメラや観光客の撮った写真による装着時間帯特定、DNAや2本の首輪万引きなど様々な要素があって、江ノ島猫の件は注目されやすい。

しかし、1月1日捜索でUSBメモリが発見されていたら江ノ島は無かった
つまり、本来雲取山USBメモリを埋めることが、唯一のリアルの行動だったということである。しかし肝心の片山氏は12月1日に実行していない可能性が極めて高い。
これがどれほど重大なことか、関係者に今一度気がついてもらいたいと思う。特に検察側は本文で推測した調書の細工など無しにして、真実を直視する対応に切り替えた方が後々になってからの発覚等を考えると得策だろう。

「細工など無い、片山氏が埋めた証拠は出せる」と云うことであれば、沢山の登山者からの写真や聴取記録があるのだから、重大虚偽証言を検察官全員で完全スルーなどせずに、異議を唱えて証拠で証明して頂きたいと思う。また調書に山頂到着時刻や埋設時刻、埋めた位置などが入っているならば、片山氏証言との整合性検証結果を含めて明らかにして頂きたい。

7月30日法廷で穴を掘った位置の偽証が行われた時、当方は驚き唖然とした。あやうく反射的に「異議あり」と手を上げそうになった(笑) それでも検察官は目の前の大型モニタで映し出され、虚偽の印がされているのに全く動かない。
本事件では検察官5人体制で専任も2名おられるとのこと(再収監後は体制変更あったかも知れない)。他の同席していた裁判官・弁護団・マスコミ・ジャーナリストの方々などとは、検察官は事実認識に対して質・量とも重みが違うはずである。
更に当方よりも詳しくて当然だし、裁判の記録にも正式に残ってしまうのだから、全く異議なしは有り得ないと思う。当ブログ開設当初より本事件における検察側対応の不可思議さに注目して取り上げてきたが、それが最終盤になって改めて浮上したということかも知れない。

検察官の尊厳と正義を守るためにも再調査を実施すべきであると思うし、マスコミやジャーナリストの方々はそれを促す報道をして頂きたい。検察官が的確に証拠固めをした上で起訴して弁護が行われ判決に至る訳だが、本事件は当初より証明予定事実記載書が異例の3部作になる等、釈然としないことが多かった。雲取山の12月1日「頃」という特定にならない特定、「情を知らない第三者又共犯者」という単独犯主張とは相容れない発言の件も、虚偽証言再調査と併せて事情説明して頂きたいところである。

追記以上