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第7回公判前整理手続後記者会見(3) 雲取山に関して

会見での佐藤氏の発言によると、弁護側(佐藤氏)は雲取山に関して今までの主張通り1月1日には埋められていなかったという方向で行くようである。
検察側は相変わらず12月1日「頃」としているようなので、被疑者が埋めたということは検察側も断定できていないことになる。

12月1日に被疑者が埋めたかどうかについて、9月24日の第5回公判前整理手続後記者会見を受けての記事で江川氏が以下のように書いていた。
”【PC遠隔操作事件】犯行に使われたのは誰のPCなのか?” 江川 紹子  2013年9月25日
雲取山山頂にウィルスのソースコードなどを入れたUSBメモリを埋めた時期についても、検察側は昨年の「12月1日頃」と日付を曖昧にしている。被疑者は12月1日に雲取山に登ったことは早くから認めていた。この時山頂には複数の登山客がいたが、被疑者が何かを埋める様子を目撃した証言などはなく、この時に彼が埋めた証拠は示されていない。

江川氏は「複数の登山客がいて目撃した証言などはなく」と、具体的に「埋めた証拠がない」という経緯を明らかにしている。
しかし、当ブログ9月26日記事「第5回公判前整理手続後弁護団記者会見2」で文字起こしした佐藤氏発言では、以下のように「証拠がない」とは言っておられるが「目撃証言がない」と云うところまで詳細に言及していなかった。
<検察官は雲取山の山頂にUSBメモリを埋めたのは被疑者だと明言しながら、その時期について書面で「12月1日頃」と主張したのは既にご説明した通り。
 ということは、12月1日に埋めたという証拠がないからだ。
 実際に検察官が開示した証拠の中にもそのようなものは全くない。>

多分江川氏は会見後などに佐藤氏から個別に直接確認したものと思われる。
「目撃証言がない」となると、後は検察側としては金属ボルトの影などから時期を12月1日頃として、被疑者が12月1日に山頂にいたことは10:51の写真で明らかだから、「(埋めたことを)察してくれ」ということになるのだろうか。

その上で他の江ノ島や検索履歴や痕跡などで証明するということなのだろうが、間接事実の積み重ねと云う中でも「雲取山」と「江ノ島」は犯人がリアルで行動しているから別格。
更に「江ノ島」は急遽対応したわけだから本来メインの行動になる「雲取山」で、「被疑者が情を知らない第三者をして埋めさせたかもしれない」(佐藤氏紹介の平光副部長談)などと、その第三者の特定も無しに言ってしまう検察側の思惑が当方には不明。
ただ、これも今後の裁判官の受け止め方次第ということになってしまうのかもしれない。

なお、10:51の写真を撮った人が警察の聴取を受けたことを日記に書いてヤマレコに投稿していたことは以前当ブログ10月22日記事でご紹介した。
この人がヤマレコにアップした写真は他にもあるが、何と江川氏は7月18日の自らの記事中で既にその写真のうちの雪景色の光景の一枚を引用しておられる。
"【PC遠隔操作事件】雲取山USBメモリの謎" 江川 紹子  2013年7月18日  
<12月1日の雲取山は雪も降る寒さだった(ヤマレコより)>イメージ 1

ヤマレコのHPには以下のようになっている。
<※写真の著作権は撮影者に帰属します。利用の際は撮影者の方へご確認下さい。>
当方のような非営利個人ブログと違って江川氏はプロでしっかりした方だから、当然撮影者に連絡して許諾を取っておられると思われる。
(多分江川氏は10:51の写真があることを7月10日の証明予定事実記載書第三部の提出から程なくして弁護側から聞いていて、そのヤマレコ記録を見た際に雪景色の写真も引用したのではないかと当方推測)

それであれば、猫の首輪を裏返しした人に江ノ島まで取材に行った行動力を活かして、撮影者に「山頂の状況はどうだったか」、「10:51以外にも山頂の写真は撮っていないか」、などを聞いて是非記事や写真でご紹介いただきたいと思う。
警察の口止めがあるかどうかは不明だが、撮影者は聴取状況も相当詳細にヤマレコに投稿しているぐらいだから、山頂の状況も差し支えない部分は話してくれる可能性が高いだろう。
今からでも非常に参考になると思う。
更に他の投稿者、特に12月1日10:38と10:41の三角点写真を投稿している方にも是非取材をお願いしたい。
最近江川氏の本事件関連記事が見られなくて残念であり、ご多忙と思うが持ち前の取材力をぜひ発揮していただきたいと期待する。

なお、当方からも雲取山の写真について、これまで殆ど取り上げられていないと思われる観点を一つ参考提起。
 ”被疑者は自分がヤマレコの10:51の写真に写っていることを知っていたか?”
もし被疑者が犯人であれば、犯人は延長戦メールで「ネットで見た12月の写真だと、三角点の土台周りの土が風化して減っているようです」と書いているから、当然自らが登った12月1日の写真は見て写っていることが分かった可能性は高い。

これが何につながるかというと、以下の佐藤氏の話によると検察側は3月5日の弁解録取の際に江ノ島での着衣のことを聞いたそうである。
<検察官は『江ノ島に行っていた時に、着ていた服はどういったものなのか?』と聞き、
 彼は、はっきりは覚えていなくて、「古着屋に売った服もある」と。「リュックは、1月21日~29日にイタリア旅行に行った際に壊れたので、現地で買い換えた」と。
 最終的に、検察官がまとめた調書の中に、古着を売ったことと、リュックを取り替えたことが、あたかも証拠隠滅に受け取られるような書き方になっていた。彼は『サインできない』と>

検察側としても殆ど取調べが出来なかった中で、本来は被疑者の弁明を聞く場という弁解録取を取調べのようにしてまで云わば無理に聞いたのだから、重視していた事項と受け取れる。
その後証明予定事実記載書で検察側主張がどうなっているかは不明だが、当方の疑問は「江ノ島の時の服を売った、つまり処分したなら、雲取山の時の服は写真に撮られていることが確定で、もっと処分する必要性が高いと思われるが、処分したのかしてなかったのか?」
さて実際はどうだったのだろうか。また検察側は今後この着衣の件に言及するのだろうか。

以上