kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

江東区長会見(4月17日)での千客万来に関する発言

江東区長会見で、千客万来の方向性の決定遅れに関して、相当踏み込んだ発言があった。
文字起こしと若干考察実施。
 
----文字起こし開始----

東京新聞千客万来施設に関して、先般区議会の委員会が開かれまして、そこでも都側から具体的なスケジュール感などを示せなかったのですけども、当初から区議会で区側としては年度末に何らかの方向性を求めていたが、現時点ではハッキリしない要素が多くて、未だに停滞している状況だと思いますが、これについて現時点での区長のご所見を頂ければと思います。
 
(区長)御存知のように昨年から東京都に対して、早く3月年度内に事業者との確約が出来るよう話し合いを早く進めなさい、ということを強く要請してきました。しかし、結果として3月末には特別委員会の質疑打ち切りという形になってしまいまして、非常に遺憾な状況に陥って、それ以降も本日に至るまでハッキリとした返事が来ていません。
 
本来築地の市場の移転・豊洲開場というのは、賑わい施設と同時開場だったわけですよ。 ところが、それが色々ありまして、一つには事業者(万葉倶楽部)のほうが、「食のテーマパーク」というのが築地に出来るという話が流れた時から躊躇してしまったというのが、こじれたというか、ストップしてしまった大きな原因の一つだと思うんですがね。そういう状態が続いてきて、今日まで来ている。
 
しかしながら、市場の開場ということについては、江東区として東京全体のことを考えて、やむなく市場のオープンについて了承したわけですね。千客万来施設は少し遅れるというのは仕方ない、築地の移転というものは首都圏の台所というものを何とかしなきゃいかんということも考えながら、区としては我慢をして、開場を了承したわけです。
 
そのことの重みというものを、都はどこまで考えていらっしゃるのか、わからない。このままですと、当然市場はオープンしても先客万来はオープンできない、今年の11月だからね。間に合わなくなってしまったけれども、江東区は我慢したわけです。そのことをどう考えてるのかと思うんですけどね。
 
ですから私としては、この問題は一日も早く決めて、1年2年遅れてでもオープンしてくれればいいんですけども、今の状況を色々報道などを聞いてみると、賃料下げろとか、ああだこうだ色々問題も有るようですし、ちょっと簡単には行きそうもないな、というような感じがいたしております。
 
元々、私、前からよく言うんですけども、賑わい施設というのは、築地の市場と場外市場を両方江東区に連れて来なさい。つまり賑わい施設というのは、皆さんどういう物をイメージするか分からないですが、私どもが言ってるのは場外市場を連れてきてあげなさい、と。
 
場外の今あの人達がやっている賑わいを連れてくることというのが、江東区の主張だったわけですよ。ところが温浴施設ができるとか、ホテルができるとか、商業施設もできるそうです、計画に載ってるそうですが、何か噂だと商業施設は間に合わないから、先に温浴施設だというような話が伝わってくる。何を考えてるんだと。
 
我々は温浴施設が欲しくて言ってるんじゃない、我々が欲しいのは場外、場内ともに一緒にして欲しい。それが千客万来施設だと言い続けてきたわけですね。ですから我々我慢に我慢を重ねて、 ここまで来た。
 
しかしながら、どうも上手く行きそうにない。どうなるか、まだ分かりません。ですから本来は市場移転は、千客万来施設とセットであるわけですけども、そういう約束をしてたわけですが、もうそれが実現が出来ないのが明らか、今年の10月に間に合うはずもない。
 
ですから、ここまで来ますと、この状況が続くと、千客万来施設の展望が不透明ということになれば、区として我々は、私は、よくよく考え直さなければいかんなあ、と思ってます。新たな展開を模索すべきだ、というふうに思います。
 
いつまでも、このままじーっと待ってるわけにはいかない。ですから新たな展開を、そろそろ模索すべき時ではないか、というふうに思ってます。このことについては区議会ともよく相談しながら、これから考えていきたいと思っています。
 
(記者)新たな展望を模索されると云うお話で、現時点で区長がお考えになっている打開策のようなものを、お示し頂ければと思います。
 
(区長)当事者は東京都と事業者ですから、そこでの話し合いがきちんと付かなければならない。しかし、我々江東区は受け入れ区として、言うべきことは言わなきゃいかんと。
 
希望も有ります、願いもあります、区民の長い間の懸案事項でもある豊洲の賑わい、風評被害によって非常なダメージを受けた多くの人々もいるわけで、そうしたことを考えれば新たな展開ということを考え、新たな展開というのは何かというと、色々考えますよ。
 
事業者の再公募、これも新たな展開の一つだろう、或いは10月の開場の延期、これも新たな展開の一つだろうと思います。
 
ですから事業者のかたにもご理解を頂き、東京都も責任ある決断をしなければいけない。いくら何でも酷すぎるのね。こっち側からしてみると、区はずっと我慢してますよ。だから、これは、その他にも新たな展開があるかも知れません。それは議会とも、よく相談をするということです。
 
・・・別話題の質疑・・・
 
(都民新報)豊洲の件で追加でお願いしたいのですが、新たな展開を模索すべきという話があったんですけども、区として姿勢を明確に示す時期が来ると思うんですが、その時期としてはどの辺りをお考えですか?既に東京都との約束は反故にされた状態が続いていると思うので、区としてはどういうタイミングでお考えになりますか。
 
(区長)都も、いつまでもズルズル行くわけにはいかないでしょ。そのタイミングというのは目前に迫っていると思うんですよ。我々から、いつまでともう言ってんだから、3月末までと言ってんだから。それがここまで来て何の変わりもない状態であるならば、我々がいつまでと言うわけにはいかない。4月の末まで、5月の末までと、そんなバカなこと言えない。もう言ってるんだから。
 
(記者)近々にということですか?
 
(区長)近々には都が考えることです。ウチが考えることじゃない。
 
(記者)可能性の一つとしては、以前は受入れ再考せざるを得ないというようなコメントも出されたことが有ると思いますが、そういったことも含めてですか。
 
(区長)それも有りますね。
 
----文字起こし終了----
 
====考察====
①「受入れ再考」という究極の方針転換の可能性にまで言及。
 しかし、「都が考えること」と突き放して、「都は責任ある決断しなければならない」と要請
 
②区長の真意は、まだ計りかねる面がある。
 上記会見では厳しいことを言っておられるが、五輪もあり、昨年12月のように結果的には都に委ねてしまう可能性も考えられる。
 
③区長は事業者側に関して、「食のテーマパーク」への懸念や、報道で「賃料」の話が出たことにも言及。
 万葉倶楽部の高橋会長の真意も不明な部分が多い。
 例えば、賃料半額なら事業継続に応じる意欲は、まだあるのか。
 
④実際は、「食のテーマパーク」や「賃料」以外に、一昨年「都が設計中断を要請した」という重大な事情がある。
<4・5メートルの盛り土が主要施設下で行われていなかった問題で、都が12日、豊洲市場に建設する観光拠点「千客万来施設」の運営会社に、整備設計の一時中止を要請したことが分かった。敷地の地下を駐車場にする設計だったが、既に施工済みの盛り土を除去する必要があり、地下水への影響など安全性の検証が不可欠と判断した。> 
 →この要請は解除されたという話は出ておらず、また参考にするであろう現在実施中の追加対策の結果確認もまだで、現段階でも未解除と推察される。
解除されないと設計にも掛かれず、スケジュールも出せないことになる。区長や区議会、万葉倶楽部側も、この事実を考慮した上で検討しているのか不明。
もし考慮に入れていないなら、更に千客万来の推進のハードルは高くなる。しかし、報道は上記産経記事1回だけしか出ていないと思われ(記事内容は確度高い)、知らない可能性も充分ありそう。
 
以上